内容説明
廃車、古着、廃乾電池、古紙、建廃、残飯、ペットの死骸、そして核のゴミ。現代の消費社会が次々と生みだす膨大な量のゴミ。それらのモノたちが漂着する果てまでをたどり、消費活動の最末端から日本社会を逆照射する。ゴミ問題の最前線を知るための一冊であるとともに、世紀末ニッポンを裏側からえぐるもう一つの文明論でもある。
目次
第1章 自動車の終わり
第2章 ファッションの終わり
第3章 OAの終わり
第4章 紙の終わり
第5章 電池の終わり
第6章 ビルの終わり
第7章 水の終わり
第8章 医療の終わり
第9章 食の終わり
第10章 器の終わり
第11章 核の終わり
第12章 生きものの終わり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
128
もとの本は1993年に出版されていて、かなり今の時代を予見しているというかさらに状況が悪化しているのでしょうね。このような本を絶版にしておくのは本当にもったいない気がします。コンビニでは食品が賞味期限切れになると捨てられてしまっています。また犬や猫は1年たつと殺処分されてしまいます。このようなことをきちんと書いて説明してくれる本をもっと大事にしなければいけないという気がします。2017/05/01
kubottar
21
ゴミ問題について真剣に考えるにはいい本かと。もう絶版本なのが惜しい。2017/04/04
阿部義彦
17
本の雑誌のノンフィクション特集に刺激された訳では無いけど、久しぶりにそっち関係の本を。佐野眞一さんは過去に「誰が本を殺すのか?」で読んで以来かな。生産された物はいずれゴミになる。誰もこの命題には逆らえません。全12章にわたり、それぞれ、ファッションの終わり(中古衣料→ボロ布)、ビルの終わり(産業廃棄物)、器の終わり(ガラス瓶、ペットボトル、スチロール缶)、そして、ラスト12章に至っては、無機物ではなく、生き物の終わりとして、捨てられたペットの処分の悲惨な現場まで、ルポします。興味が尽きなかったです。2022/07/03
nabebe
3
90年代の話なので内容面で古さもあるだろうが、色んなもののゴミとしての終着事情がしれて興味深い。技術が高度化するほどリサイクル出来るものが少なくなりゴミが増えるというのは何とも皮肉だなと思った。車とかOA機器とかね。大量消費社会で当然ゴミが増えて、捨てる場所の確保だったり公害だったりが問題化しているけど、なんか人ごと。私たちは死だったりゴミだったりを忌避すべきものとして日常から遠い場所におく傾向があるとか。なるほど。たしかに、死の多くは遠いもののように感じるし、自分のゴミの行く末を捨てた後にあまり考えない2020/07/24
コウみん
3
環境問題について語ったノンフィクション。 経済成長の以降に様々なゴミが発生し、このままと全てが終わってしまう。 この本が出たのは20年前だが、福島原発のことについて書いたのを見て少し、震えた。ゴミの以前に別の理由で……2017/09/29