ちくま文庫<br> 失われた時を求めて〈6 第4篇〉ソドムとゴモラ 1

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ちくま文庫
失われた時を求めて〈6 第4篇〉ソドムとゴモラ 1

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  • サイズ 文庫判/ページ数 472p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480027269
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

77
ここにきて同性愛の色彩がはっきりと現れたように思えました。シャルリュスの性癖を目撃したことから、アルベルチーヌも女性と関係があるのではという嫉妬が掻き立てられている想いが貫かれているように感じます。ただ、何より祖父母の生死を受け入れることになる『心情の間歌』が印象に残る巻でした。続きも読みます。2018/05/15

Ryuko

22
冒頭のシャルリュス氏とジュピアンのシーンが妖しく印象的だ。しかし、この巻で最も心惹かれるのは、「心情の間歇」だ。かつて祖母と訪れた思い出の地、バルベックで、生きた祖母を感じ、祖母を永久に失ったことを実感する。かつて自分が放った祖母を傷つける言葉が今になって自分を苦しめる。私にも覚えがある。この巻の後半「私」を苦しめるアルベルチーヌへの疑惑。白黒つかないまま次巻へ。。それにしても「私」は好奇心旺盛だなあ。2016/02/11

かふ

21
「ソドムとゴモラ 」シャルリュス男爵と仕立屋ジュピヤンの同性愛の現場というより花と蜂の観察日記で50ページぐらい描写するとは。その後にゲルマント大公夫人のサロンのパーティーへ。これがソドムの入り口であるが、語り手は同性愛者ではなく、プルーストが同性愛者だったことからも語り手=プルーストとするのは無理がある。作家は作品の中に現れるとしたサント=ブーヴのバルザック批評の批判の為に書かれたのだから当然か?しかしまったくないかと言うとそれも違うであろう。どこかしら作家の趣向は混じってしまうものなのかとも思う。2022/04/19

21
作品の大きなテーマである同性愛がこのソドムとゴモラから現れ始める。冒頭のシャルリュス氏とジュピアンの出会いが非常に印象的だ。2人の行動と受粉の緻密な描写が重なり合って、何とも怪しい雰囲気を醸し出している。一方で、心情の間歇での祖母を失った喪失感に話者が苦悩する描写は、哀しいけれどとても美しかった。多くの人が共感を覚える章だと思う。 2014/12/30

mstr_kk

5
シャルリュスとジュピアンの出会う「マルハナバチ」のシーンでは笑ってしまいました。すばらしい。そして祖母の記憶がよみがえる「心情の間歇」には泣きました。ひとりの人間がいくつもの系統の時を生きている、というのは本当に深い洞察です。過去2回の挑戦では未踏だった「ソドムとゴモラ」、Kindle読み上げ機能のおかげで快調に、ひたすら楽しみながら進んでいます。2023/11/21

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