内容説明
フランス文化の発展上、サロンの果した役割は、はかりしれない。宮庭の縦の人間関係よりも、サロンの横の関係のほうが、対話を花さかせ、自由な批評によって文芸を育てるには有効な環境であった。そしてそのサロンを動かしたのは女性たちであった。本書は、17世紀フランスの著名なサロンの7人の女主人公たちと、サロンに集った文学者たちを描く。
目次
序章 サロンと女性・文化の触媒
第1章 はじめにランブイエ館ありき(サロンの成立;サロンの集い)
第2章 フェミニズムの元祖スキュデリー嬢
第3章 マレーの女王 ニノンとマリオン―浮かれ女サロン盛衰記
第4章 2大女流セヴィニエ夫人とラファイエット夫人―心ならずも大作家(めぐり会うまで;両極端は引き合う―対照的なサロンとのかかわり;釣合う知性たち―3文人の集会)