内容説明
フェートン号事件をきっかけに始まった幕府による英語学習が鎖国維持のためであったのに対し、漂流者の英語学習はコミュニケーションのためであり、これが本当の英学の始まりであった。本巻では、ウィリアム・アダムズの来航からペリー来航直前に至る外国語学習の歩みを、蘭学・ロシア学を含め、広範囲に収集した資料によってたどる。
目次
序章 夜明け前(日本へ来た最初のイギリス人;徳川初期の日本―コックスの観察)
第1章 好奇心より科学へ―蘭学の一面
第2章 北からの招かれざる客(初期の日露関係;樺太・エトロフ事件とゴロヴニン)
第3章 フェートン号事件―ナポレオン戦争の余波
第4章 モービー・ディック―鎖国をおびやかす英米の捕鯨船
第5章 洋学者の弾圧(中華思想の排撃;崋山の見た西洋)
第6章 漂流者たちの英学体験