内容説明
パリに再現されたアンコール・ワット、原住民を展示して。1931年のパリ植民地博覧会は、西洋文明の優位性が可視化された進化論のランドスケープだった。パリ植民地博覧会の成立過程を仔細にたどり、西欧帝国主義に潜在する「文明」と「野蛮」の視線を植民地パヴィリオンから検証する。
目次
はじめに コロニアリズムからハイブリッド・モダニティへ
1 絶景!パリ植民地博覧会―チケット一枚で世界一周旅行
2 捏造された植民地世界のスペクタクル―実現されたユートピア
3 祝祭された西欧文明への反駁―文明と未開の境界喪失
4 隔離されたエキゾチズムの楽園―新しい地理学とパリの都市空間
5 ハイブリッド建築の両義性―西欧文明と未開文明の象徴
6 建築観相学―可視化された進化論/人種のヒエラルキーと建築
7 植民地博物館、慎み深いエキゾチズム―西欧芸術の蘇生と刷新
おわりに ハイブリッド文化のパラドックス―新たな空間と時間の秩序
著者等紹介
モルトン,パトリシア[モルトン,パトリシア][Morton,Patricia A.]
カリフォルニア大学リヴァーサイド校美術史学部教授。建築史をポストコロニアル理論で研究している
長谷川章[ハセガワアキラ]
1954年、東京都生まれ。1977年、早稲田大学理工学部建築学科卒業。1979年、早稲田大学大学院修士課程修了。1979~1991年、板倉建築研究所東京事務所勤務。1985~87年、西ドイツ政府給費留学(アーヘン工科大学留学)。現在、東京造形大学教授。工学博士
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