内容説明
「思いやりが人間関係の基本である」と考える著者は、親―子、夫―妻、男性―女性、教師―生徒、上司―部下など、あらゆる人間関係の場面を取り上げ、そこにスキル(技能)をどう生かすかをわかりやすく説く。47の練習問題と14の実験を楽しく進めるうちに、スキルが体得できる。応用社会科学の研究成果も生かしたコミュニケーション技法のガイド。
目次
第1章 思いやりのある人間関係への挑戦
第2章 人間関係の中に持ち込むもの
第3章 あなた自身をあらわにする
第4章 報酬を与える聞き手になる
第5章 話し手を助けるように反応する
第6章 内気に打ち克ち、最初の出会いを作る
第7章 人間関係を選択する
第8章 人間関係を深める
第9章 人間関係における主張性
第10章 怒りを管理する
第11章 争いを避けて管理する
第12章 思いやりのスキルを維持し上達させる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kana
16
「思いやりとは、相手の感情を相手が望んでいるように扱うことであり、自分の強さを分け与えることではない」との記述にハッとさせられた。肝心のトレーニングはやはり自力でやるのは難しそうだが、思いやりとは何か?愛情とは何か?といったふわふわした概念を言葉できめ細やかに説明されているので、人間1年生には読む意味があると思う。2020/04/10
長岡紅蓮
5
『読書は格闘技』(著 瀧本哲史)という書籍で紹介されていたので読んでみた。思いやりのある人間になるための日常的なスキルを取り扱っている本です。特に「第6章の内気に打ち克ち、最初の出会いを作る」は学生時代に読みたかった(笑)。章のなかに【練習問題】【実験】という形で人間関係のスキルを取得することを取り組める内容になっています。その点は、すぐ選択、行動に移しやすい。 「思いやりのスキルとは、人間関係において、自分もほかの人も肯定できるよう、一連の選択をすることである。」(頁11)2018/09/15
エン
1
思いやりのある人間関係を構築するには、思いやりのあるやり方のスキルを高めればよいという。理にかなったわかりやすい説明と、認知して行動し、その結果を考察するというとてもシンプルな実践的スキルアップ書ですね。西洋的でかなりセンシティブなところまでオープンにしていこうということや、徹底した男女平等という思想は、これまでの日本人の気質や文化とは少し相容れない部分があるかもしれないが、誰にとっても何処か響く章があるのではないでしょうか。誰かに贈りたい一冊です2018/09/23
うにょ
1
本書は、人間関係をソーシャルスキルという観点から具体的に記した本である。スキルを具体的に記してあるから、実践的に練習しやすい。人間関係におけるスキルを高めたい人には本書をおすすめする。少し値段は高いが、そこら辺の本よりも数倍価値はある。訳者はソーシャルスキルの研究者である相川充さんで、読みやすい。2017/11/10