内容説明
“大君の深き恵にあみし身は言い遺すべき片言もなし―”本土決戦を主張し、敗戦の朝、自刃して果てた最後の陸軍大臣・阿南惟幾。憧れの乃木希典にかけられたひと言から、武士道を体現した阿南の軍人人生は始まった。若き天才・石原莞爾とともに過ごした陸軍大学校時代、敬愛する昭和天皇と出会い忠義の心を強く芽生えさせた侍従官時代、三国同盟実現へのうねりの中で陸軍大臣・東条英機と対立した陸軍次官時代。そして、日増しに戦局の悪化する中国、太平洋戦線での指揮官時代…。廉潔にして勇猛な阿南惟幾にとって、軍人とは何だったのか、武士道とは何だったのか。そして、なぜ独り自決したのか!?希代の将軍の波瀾の生涯を描く歴史巨編。
著者等紹介
阿部牧郎[アベマキオ]
1933年、京都生まれ。京都大学仏文科卒業後、会社員生活を経て執筆活動にはいる。88年、『それぞれの終楽章』で第98回直木賞を受賞。歴史小説・恋愛ロマン・時代小説など、幅広いジャンルで創作活動を続け、エンターテインメント界の第一人者として人気と実力を誇っている
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感想・レビュー
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なつきネコ
2
映画『日本の一番に長い日』を見て、再読してみた。昔読んでたのに、読むのに時間がかかった。こんなに二次大戦モノが苦手だったっけ。しかし、ノモハンはソ連の圧勝は今では否定されているけど。けれど、阿南陸相の武人としての心、天皇への忠節、部下への態度など、まさに尊敬できる人間だった。武人として本土決戦を望みながら、天皇の終戦への願いと、日本のために陸軍を押さえる姿は涙してした。最後の自決も日本陸軍の誇りには必要なことだったんだろう。しかし、終戦内閣は本当にすばらしい。彼らがいなければ今の日本はなかったのだから。2016/01/29
depo
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図書館本。2022/08/23