内容説明
「あなたが私の息子を殺したのよ!」山倉史郎は狂乱する冨沢路子の前に絶句した。それは悲劇的な誤認誘拐だった。犯人は山倉の子と誤って、同級生の路子の子を拉致したらしい。しかも身代金授受に山倉は失敗、少年は骸となって発見されたのだった。鬼畜の仕業は誰が、なぜ?やがて浮かんだ男には鉄壁のアリバイがあった。名探偵法月綸太郎と共にいたというのだ…。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yu
150
Kindleにて読了。ドラマを見たことがあるので、犯人は知っている前提で。動機はわかるものの、子供を手にかけるほどの狂気に駆り立てられる心情がわからないなぁ。2019/10/13
ダイ@2019.11.2~一時休止
133
法月綸太郎その4。誘拐モノなんだけど誘拐した子供は間違えられた?。二転三転する展開がイイ。2013/09/24
Tetchy
129
全体的に何だかアンバランスだ。叙述を緊迫したムードで、いわばロス・マク風悲劇を語っているのに、時代錯誤な密室殺人はどうしても宙に浮いてしまうのだ。カタルシスまではもう少し届かなかった。2009/01/24
ホッケうるふ
121
関係者が少ないので3分の2くらいで犯人と殺害の経緯は判った。エラリー・クィーンの「Yの悲劇」も家族の悲劇を描いていたけどよく出来たミステリーは奇を衒ったミステリーと違い読者が犯人を当てられる確率が高いような気がする。この作品もダイイングメッセージ以外はトリックも真相も飛躍せず地に足がついて説明を聞いても納得できるものばかり。作者27歳の頃にしてこの安定感。しかし僅か数日間で3度も肉体ダメージを食らう主人公はまるでハードボイルド(笑)あとP・K・ディックの「火星のタイム・スリップ」が出てきてビックリした。2013/11/18
五右衛門
93
読了。初読みの作家さんでした。前半の早い段階で◯◯がひょっとして犯人なのかな?とは思いましたが後半に◯◯が一番怪しい、しかも割りとあっさり謎解き出来てしまいそうでしたがあれあれ?やっぱり?てな感じで読まされました。しかも一人称の主人公は割りとゲス野郎だなと❗まさか彼が二重人格者?とも疑いましたが悲劇的な結末でした。他の作品も読んで見ます。2018/12/24