内容説明
お笑い芸人を真似て過剰にしゃべる人がいる一方、内気な引きこもりの人も増えている。実はその根っこは同じで、「コミュニケーションの強迫観念」と「自分へのこだわり」が横たわっている。うまく話さなきゃ、人をひきつけなきゃ、と思えば思うほど、空回りしていく会話。そんな焦りは捨てて、「間」と「沈黙」に腰を据えてみる。自分の話をするのではなく、他人の話をしてみる。そうすれば、人づき合いはぐっと楽になるし、深くなる。たとえば、家庭内の風景を思い出せば、互いに話を聞き流しながらも、間と沈黙で会話をしているのがわかる。―イッセー尾形とコンビを組んできた名演出家が教える、古くて新しい、日本人のコミュニケーション論。
目次
1章 なぜ、うまく「間」が取れないのか―コミュニケーションの極意は「しゃべらないこと」にあり(「話し方」に過剰にこだわる現代社会;「困ること」を受け入れれば、会話はうまくいく;自分ではなく「他人」に目を向けてみる;家族とのコミュニケーションに学ぶ;自分が生きてきた土地を再発見する;「言葉」よりも「身体」が大事)
2章 なぜ、イッセー尾形の一人芝居は面白いのか―平凡な生活にこそ「人間の魅力」がつまっている(イッセー尾形の芝居を、的確に説明した大学教授;美人に見せる、簡単なコツ ほか)
3章 なぜ、日本人は「恋愛大好き国民」になったのか―「恋愛」が大きく変化させてきたコミュニケーション(われわれは「小いばりの世界」に住んでいる;「安物買い」を自慢する人は、結婚願望の強い人 ほか)
4章 なぜ、「孤立無援な人」が増えているのか―蔓延する「恋愛の副作用」(浮気が繰り返されるメカニズム;恋愛には「善悪の判断基準」がない ほか)
5章 なぜ、人と楽にコミュニケーションできないのか―人生の極意は「我なし」という立ち位置にあり(自分の「思い」を、相対化してみる;「人恋しい気持ち」が生まれるまで待とう ほか)
著者等紹介
森田雄三[モリタユウゾウ]
1946年、石川県生まれ。演出家。70年、初戯曲「ボクシング悲歌」を演出。80年以降、イッセー尾形の一人芝居を演出し続ける。90年代から、イッセー尾形と二人三脚で、素人を集めた演劇ワークショップを全国各地で行なう。スイス国立演劇学校(HMT)の教授も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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