彼岸の時間―“意識”の人類学

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  • サイズ B6判/ページ数 296,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393291511
  • NDC分類 389
  • Cコード C0014

出版社内容情報

シャーマニズム,瞑想,ドラッグ……人はなぜ意識の変容を求めるのか? 世界各地で超越と世俗の境界を果敢にフィールドワークする,新世代の人類学者による意識人類学宣言。

内容説明

シャーマニズム、葬送儀礼、臨死体験、タントラ、瞑想、サイケデリックス…“この世”と“あの世”の円環を気鋭の人類学者が自在にフィールドワーク。

目次

第1部 反転する時間―シャーマニズム的リアリティ(他界への旅―アマゾンのシャーマニズムと臨死体験)
第2部 循環する時間―共同体的リアリティ(象徴としての世界―バリ島民の儀礼と世界観;穢れた女の聖なる力―インド世界とタントリズムの思考 ほか)
第3部 消滅する時間―瞑想的リアリティ(“自我”という虚構―インド‐チベットの瞑想哲学;転生するのは誰か―「霊魂の死後存続」をめぐる論争 ほか)
第4部 前進する時間―資本主義的リアリティ(理性と逸脱―ミクロネシアのドラッグカルチャー;聖なる狂気―沖縄シャーマンの巫病は「精神病」か? ほか)
第5部 明滅する時間―ポストモダン的リアリティに向けて(回帰でもなく超越でもなく―アマゾン的未来の可能性・日本的未来の可能性)

著者等紹介

蛭川立[ヒルカワタツ]
京都大学で生物学を、東京大学で人類学を学ぶ。現在、江戸川大学社会学部人間社会学科助教授。ペルー、メキシコなどの、向精神性植物を用いたシャーマニズムと、タイ、チベットなどの、仏教的な瞑想技法を比較研究しつつ、人間の意識状態の「地図」を作りたいと考えている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パブロ

12
やっぱりこの人は面白い! 『精神の星座』ではノリのいい兄ちゃん的雰囲気が一変。アマゾンのシャーマニズムから沖縄のユタ、タイ、チベットの瞑想、さらにはドラックカルチャーまで、意識変容という「彼岸の時間」を考察することで、現代社会の「此岸の時間」をあぶり出す。学術書してるじゃん! 変性意識によって資本主義はいかに乗り越えられるのか、なんて大上段振りかぶった論旨はさておいて、何はともあれ著者の体験談が面白いし、フィールドワークから裏打ちされた考察が明晰で気持ちいい。もっとこの著者には本を書いてもらいたいな〜。2015/03/11

藪田雅也

0
かなり影響を受けた。『精神の星座』を先に読んだが、こっちを読んで真面目に「人類学」している著者に度肝を抜かれた。何がすごいって、扱う内容と記述力。理系上がりの科学的リテラシーと天文少年譲りの想像力と知的好奇心。「ダメ。ゼッタイ。」は絶対なのか?もちろん法治国家である以上ゼッタイなわけだが、どうも世界を見渡してみると、日本のゼッタイが通用しないところもあるらしい。それは、薬物の問題だけでなく、近代社会のあらゆるジョーシキについても同様。『彼岸の時間』という題、いとをかし。見事に常識を解体していると思う。

吉田

0
再読。オカルト方面のアプローチから読む。意識変容をキーにして、霊やESP、サイケデリックや原始仏教について。興味深い。2009/10/08

ノメ

0
タイトルに惹かれ読了。前半の内容と後半では、意識に対する追及内容が異なる。2019/04/02

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