内容説明
女と男、賤と貴との間に生じる支配と服従の関係を日本の仏教はどのように支えたか?日本文化研究にかかわる最高のスタッフが新たに挑戦する日本精神史の冒険。
目次
総論―民俗宗教のなかの血縁観
仏教における階級観と女性観
賤視と救済
遊女と非人・河原者
王朝仏教における女人救済の論理―出産の修法と後生の教観
観音信仰と母性崇拝
熊野観心十界曼荼羅の宇宙
感想・レビュー
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ワタル
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「かれはクシャトリヤ出身であったがゆえに、バラモン至上主義に敏感に反応することができた。一方、男であったがゆえに、かれは女性の立場にたって考えることに気がつかなかった」(p68)という説、しっくりきた。初期仏教の消極的な女性排除の傾向を、淫欲を起こさないよう男女別にしたかったんだろうか、とは思っていたんだけど、釈尊が男だったから、というのは非常にわかりやすいしどうしようもない部分で、納得できる。 他、女人禁制の山でも、骨となったら極楽往生しているので男女の別無しに埋葬して良かったというのが面白かった。2019/04/15