戦争と放送―史料が語る戦時下情報操作とプロパガンダ

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戦争と放送―史料が語る戦時下情報操作とプロパガンダ

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784390603690
  • NDC分類 699.21
  • Cコード C0021

内容説明

放送70年の歴史のなかで、戦時のもつ意味は大きい。焼却処分をまぬがれた史料の一字一句が、キー・シンボルを駆使した情報操作を雄弁に語っている。

目次

政府の放送政策
日本放送協会の対応
ジャーナリズムたり得なかった放送
1章 戦争プロパガンダの実想
2章 放送への国民の反応
3章 「マル秘敵性情報」にみる原爆投下
4章 戦争の終結と放送

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

12
この世界の片隅にのドラマ見てて、玉音放送が終わった直後に君が代が流れてきたのを聞いて「そういや玉音放送の後って何を放送したんだろ…。批判も解説もできないよなあ」と疑問に思ってたらツイッタのフォロワーさんにお勧めいただいた本。終戦の日の番組表もあり、7時過ぎからの9分間のニュースで玉音放送予告や「我が航空部隊鹿島灘東方で敵機動部隊を攻撃し空母と巡洋艦を大破炎上」とかもある。…お、おう。その後が12時からの玉音放送とポツダム宣言やカイロ宣言読み上げに37分。ずっと放送してたわけじゃないんだよな当たり前か。2018/10/30

印度 洋一郎

3
プロパガンダ・メディアとしての、戦前戦中の日本のラジオを考察した本。興味深いのは、戦時下のNHKが放送していた人気番組について。最前線の兵士達に家族が歌やメッセージを送る聴取者参加番組「前線に送る夕」、前線の戦闘をリポートする「勝利の記録」なんか聴いてみたいが当時は録音用テープが無く、全て生放送だったので現存しないのだとか。昭和20年8月15日の一日の番組表の記録も大変興味深い。朝七時のニュースでは、まだアメリカ軍に対する勝利を伝えていたのだ。2010/04/06

はじめ

2
1925年に放送が開始されて以来、「放送は政府の情報機関である」との認識のもと、ラジオは戦争プロパガンダに利用されてきた。この政府の方針に日本放送協会が寧ろ協力的な態度をとったことには驚いた。「お上」に協力し、皇国民としての役目を果たすことになんの疑問も抱かなかったのだろう。放送が戦争にどのように利用されたかは勿論、戦前・戦後の国民に、軍国主義体制・ファシズム的強権政治体制、「天皇は神聖にして侵すべからず」の教育がどれほど浸透していたかについても考えさせられた。2012/06/17

mustache

1
戦時中の日本放送協会は、ジャーナリズムではなく政府の情報宣伝機関でしかなかったことを再確認させる、優れた実証的研究。籾井会長の就任によって、NHKは再びもと来た道を辿ろうとしているかに見える。2014/03/18

hr

0
著者自らの戦時中の放送体験を始まりとして書かれているだけに強い。伝えられるべき情報を伝えられなかった(ディスインフォメーション)ことへのこだわりについて、あとがきで熱く語ってある。巻末の注を見ると、根拠となる史料が丁寧に集められていることが分かり、歴史に取り組むことは科学的なことなのだと思わされる。重要な仕事だ。現代にこそ必要な研究分野だろう。2018/08/08

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