現代教養文庫<br> 溝口健二の人と芸術

  • ポイントキャンペーン

現代教養文庫
溝口健二の人と芸術

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 347p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784390115889
  • NDC分類 778.21
  • Cコード C0174

内容説明

オズ、クロサワに並ぶ国際的な巨匠ミゾグチ監督による名作のほとんどが、脚本家依田義賢との二人三脚で生まれたことはよく知られている。だが、鬼気迫る情熱で映画作りに挑む気魄は、時には狂気に近いものだったという。この脚本家にとって、戦前の名作『浪華悲歌』から、ベニス映画祭受賞作『雨月物語』を経て、晩年の『新・平家物語』にいたるまで、たえず、余人には想像もできぬ孤独な闘いがあった。本書は、監督の才能を信じてダメに耐え抜き期待に応えた著者が、盛時を振返り書き留めた、名作誕生の軌跡であり、人間溝口健二との苦闘の記録である。

目次

溝口健二素描
日活向島時代
京都太秦に移って
『唐人お吉』『滝の白糸』のころ
『浪華悲歌』の前後
『祇園の姉妹』と彼の周囲の人々
『愛怨峡』のあとさき
『残菊物語』のころ
『浪花女』のころ
好戦的な空気の中で〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こうすけ

16
人とシナリオシリーズが面白かったので購入。長年コンビを組んだ脚本家から見た、映画監督・溝口健二の姿。仕事に対する厳しさや、意外にも俗っぽい性格など興味深い。他人の苦労や努力を慮るようでは映画監督にはなれないのだとよくわかる。2021/10/13

Gen Kato

0
再読。溝口健二監督作品が好きなので。女房役の名シナリオライターによる決定的評伝なので、必携の書です。最近、一般的にもこの本の中でもあまり評価の高くない戦後の作品(『わが恋は燃えぬ』『女優須磨子の恋』)を観る機会があったんですが、当時言われたような演出(および脚本)の古さ・生硬さは時代の経過とともに薄れていて、見ごたえのある作品が残ったという感じでした。やはり名監督・名脚本家の仕事なのだなあと。2014/07/30

るな

0
私が生まれた時には、すでに故人だった溝口監督(1956年没)は、黒澤明監督などと比べると、よほど遠い存在だった。ところが、没後50年の回顧展で溝口作品にふれて、その映像美、緊密な映画技法にすっかり心酔してしまった。本書は、片腕として多くの溝口作品を手がけた名シナリオライターが綴る、溝口健二の人と芸術。溝口監督は、かなりの矛盾を孕んだ複雑な人物だ。完璧主義者なので映画スタッフとの衝突はしょっちゅうある。説得力のある映画づくりをめざしてシナリオをとことん練り直す。世界の映画人を魅了した作品群をもっと観たい。2023/09/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1785724
  • ご注意事項