内容説明
神戸の個人商店からきわめて短期間に世界的な大商社に急成長した鈴木商店は、昭和2年の金融恐慌によって倒産した。総合商社の源流として、三井物産を急追し、三井物産に勝るとも劣らない巨大な役割を演じながらも挫折した、鈴木商店の興亡と、その命運を左右した大番頭・金子直吉の経営戦略と理念を解明する。
目次
1 創業者岩治郎の企業者活動
2 「新生」鈴木商店の躍進
3 総合商社への道
4 日米船鉄交換
5 米騒動と鈴木焼き打ち
6 総合商社体制と多角的事業経営
7 金融恐慌と鈴木商店の倒産
感想・レビュー
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rbyawa
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d083、私の世代だとこの鈴木商店(この名前で財閥系だからややこしいw)の倒産と、台湾銀行の破綻はわりとセットで教科書で習う内容だったんですが、じゃあ、それがどんな事態だったのかと言われると正直さっぱりわからず(その後の影響が主でした)。当時の「買占め鈴木」の印象はむしろ真逆の誤解であったものの、なぜ倒産したのかと言えばそもそも拡大に無理があって当然の結果だった、とまでまとめてしまうとわりと公平な資料な気はする。そもそも初代が興し、未亡人が凄腕の番頭に経営を任し、彼がそのまま一気に駆け抜けただけの全容か。2013/06/11
うさぎニンジン
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創造的な経営者である金子。 彼の手腕により天下三分の宣言書を出すまでになった。 そして、超多角経営によって倒産する。 非常に魅力的な栄光から挫折。しかし、挫折で終わらず不死鳥の魂は引き継がれた。2021/08/26