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内容説明
本書は日本の南樺太統治40年間と全千島列島統治70年間に日本の研究者・旅行者たちが記述したニヴフ(旧称ギリヤーク)民族、ウイルタ(旧称オロッコ)民族、サハリンのアイヌ民族(いわゆる樺太アイヌ)、北千島のアイヌ民族(いわゆる千島アイヌ)に関するさまざまな記録の中から、今日では既に稀覯書として入手が困難か、あるいは図書館にさえも所蔵が稀な文献を選んで収録したものである。
目次
第1部 総論
第2部 ギリヤーク
第3部 オロッコ
第4部 樺太アイヌ
第5部 千島アイヌ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
七
10
古代より樺太と千島に住んだ北方民族らの研究文献を纏めた集成本。古きは明治から平成に至るまでの研究の成果を、その言論の展開とともに知ることができる。中でも印象深かったのは、大正期の記録であった。明治末期の日露戦争によって獲得した南樺太についての研究文献は、その新領地への学者らの高揚感がひしひしと伝わり、新たに手にした北の島への研究に興奮する態度が如実に見て取れた。本全体を通して樺太と千島の内容を網羅しており、日本やロシア、中国による土着民族への政策の実態を把握するのにかなり適した本である。2021/08/11