内容説明
豊後森藩下屋敷の厩番・赤目小籐次は、大酒会で一斗五升の酒をあおって藩主・久留島通嘉の参勤下番の見送りを欠き、奉公を解かれる。だが、そこには小籐次のある目論見があった。江戸城中で他藩主から辱めを受けたことを通嘉から聞かされ、脱藩して意趣返しをする決意を固めていたのである。大名行列の襲撃―。小籐次の孤独な闘いが始まった。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年北九州市生まれ。『闘牛』でデビュー。98年に時代小説『密命―見参!寒月霞斬り』を発表するや、迫力のある殺陣と人情味溢れる物語で読者の圧倒的支持を得、人気シリーズを次々と発表する
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感想・レビュー
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TakaUP48
44
柳橋の万八楼の大酒大会で、一斗五升を飲み酔いつぶれた赤目小籐次。豊後森藩主・通嘉の下番で江戸出立の見送りを逃し、用心高堂の逆鱗に触れ奉公を解かれた。ある日、厩番の小籐次は、藩主・通嘉が村はずれで忍び泣きするのを見る。聞けば、藩主が城中詰之間で同席した他の四藩の藩主から「城なきは大名に非ず」と嘲笑愚弄されたという。浪々の身となった小籐次は、丸亀藩、赤穂藩、臼杵藩、肥前小城藩の道中から「御鑓拝借」をする。取り潰しを恐れる四藩は、森藩主に詫び状を書き御鑓返却を願う。身の無き強気をくじく、何とも胸のすく話だ。2021/04/23
藤枝梅安
35
豊後森藩の下級武士・赤目小籐次は大酒会で一斗五升を飲み、酔いつぶれて2日間眠り続け、 藩主・久留島通嘉の国許への帰参に見送りに遅刻した。 江戸屋敷用人・高堂伍平はこれに激怒し、小籐次は奉公を解かれることになった。 しかし、浪人の身となった小籐次には隠された目的があった。 ◆主人公は五十歳ちかい背の低い酒を飲みすぎてクビになった厩番である。 佐伯さんのほかのシリーズとは違い、なにか親近感を持って気楽に読み始めたが、 読み進むにつれ、非常によく考えられたストーリーに感心した。 続きが楽しみだ。2010/10/01
海猫
26
シリーズ一巻目だがこの一冊だけでも痛快2010/09/28
くまクマ
24
居眠り磐音に引き続き、またまた面白いシリーズを読み始めました。小籐次もなかなか格好いいぞ!2021/02/07
のぶぶん@今年は心を鍛えます
22
正月にテレビで観て、これは面白そうだと思っていたが、いくつかの理由で手を出していなかった。その一つが「長いシリーズやん(笑)」ってこと。でも、確かに面白い。テレビで筋を知ってるだけにスイスイ読める。でもそうじゃなくてもどんどん読みたくなるだろう。赤目小藤次の活躍はこれ以後延々と続くのだが(笑)読み進めるかどうかは未定。原作の方がかなり血なまぐさいけど、たぶんこちらの方が正しいし、より引き込まれる。小藤次の想い、四家のそれぞれの想い…いい作品だと思います。問題はあの人の顔が浮かぶことだけ(笑)自動変換やん。2013/03/20