内容説明
老いは迎え討て。老いゆく者への、鮮烈なメッセージ。
目次
老いには、目を据えて立ち向かえ
人はなぜ走るのか
肉体への郷愁
色即是空
自殺するヒーロー
耳鳴りのショック
脳幹のつくる人生の幅
脳幹の大きな意味
病気をどう克服するか
古今、二人の名医〔ほか〕
著者等紹介
石原慎太郎[イシハラシンタロウ]
1932年神戸市生まれ。一橋大学卒業。在学中に執筆した「太陽の季節」により芥川賞を受賞。著作に『化石の森』(芸術選奨文部大臣賞)など多数
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感想・レビュー
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Shoji
34
血統付きの血筋に生まれ、作家としての活動も政財界での活動も華やかな氏が語る「老い」。我々庶民とは一線を画していました。そりゃあ、経歴に応じた経験に裏打ちされた人生。まして作家、如何様にも書けますがな。と、少しやっかみながら読了。ところで、石原慎太郎さん、なかなかの自分大好きナルシストのようです。2023/04/17
雲をみるひと
28
石原慎太郎の加齢に伴う肉体、心境の変化がテーマのエッセイ。失敗談もあるが、基本的には自己愛に溢れた作者らしい作風で好き嫌いはでそうだが、自己や家族をオープンに語る点は清々しいし、三島由紀夫とのエピソードや政治家転向の契機など興味深いトピックも多く収録されている。2022/10/05
かいちゃん
24
文体はすばらしいしまずは「頭がいい人だなぁ」って思った。 でも、僕にはどうも、ただの自慢のような話に思えた、すみません。2018/02/16
nao1
12
さすが文章がうまい。句読点の打ち方なんて職人技。政治家としてはあまり好きではないが、文学の技、知識、伝え方は、高邁かつ平易で好き。これで自慢話がなければ最高なのに(笑)40代以降の健康管理に大変に参考になり、私も走って脳幹をきたえようと思った。意外なほど仏教的思想とフィジカル重視な姿勢がみえた。たくみに引用されている古今東西の文学も読んでみたい。団塊以上の年代の人ってほんっとにヘミングウェイが好きな人多いね。それにしてもタイトルがいやだ。トレパンはいて走る年寄りをあたたかく応援する石原慎太郎なんだけどね。2015/04/11
RASCAL
7
10年ほど前に読んだときはさほど何とも思わなかったのですが、今回は心に沁みました。マラソンのタイムが落ちる、故障が治らない、その他書きにくいことも含め、この10年で老いを感じたということか。色即是空、諸行無常、老いと死が避けられないことを知らない人はいないけど、自分が老いるということを体感するまで信じられないのもまた事実。必ず負ける老いとの戦いに果敢に挑み続けること、そしてそんな自分を評価し、褒めてやること。年を重ねる毎に楽しさが増していくような、そんな人生を送りたいと思います。2014/09/25