内容説明
高校３年生古野まほろが乗る政府専用機の機内に轟く銃声。離陸後、突然始まった虐殺で、乗客約７０人中生存者はたったの１８人に！ハイジャックされた機内で、まほろ達は１つの部屋に軟禁されてしまう。密室の中の密室で起こる殺人、裏切りに次ぐ裏切りの大波乱、そして殺人が次なる殺人へと連鎖する。誰が味方で誰が敵か。真犯人を捜すための壮大な推理合戦が幕を開ける！本格×幻想×ＳＦ、エンターテイメントのすべてが詰め込まれた超ド級ミステリー。
著者等紹介
古野まほろ［フルノマホロ］
東京大学法学部卒。リヨン第三大学法学部第三段階「Ｄｒｏｉｔ ｅｔ Ｐｏｌｉｔｉｑｕｅ ｄｅ ｌａ Ｓ´ｅｃｕｒｉｔ´ｅ」専攻修士課程修了。フランス内務省より免状「Ｄｉｐｌ＾ｏｍｅ ｄｅ Ｃｏｍｍｉｓｓａｉｒｅ」受領。２００７年、故・宇山日出臣氏が発掘した最後の新人として、有栖川有栖氏の絶賛を受けた『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後、重量級の長編本格探偵小説を次々と発表（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
315
前作から三大奇書を志向するような方向性が変化し、笠井潔に通ずる、テロルや大量死の時代を反映させた物語になってきている。ロジックは厳しいところも多く、その欠点を四度にわたる読者への挑戦という満腹感で補っているものの、出来上がりが巨大な建造物なだけに、その歪さも一目でわかるといった感じ。間違った仮説を否定する為だけの逸話も多く「じゃあそのどうでもいい一事がなかったら探偵は真相に辿り着けなかった訳ね？」となる。このバランスが本格ミステリが謎々で終わるかの鍵と考えるが、ここまで過剰だと微笑ましく愛でる事が出来る。2017/06/18
ひめありす＠灯れ松明の火
44
学園、列車、孤島、戦艦。あらゆる本格探偵小説愛好家をして垂涎たらん密室の、その最先端は天帝の愛娘にして曙の女神おおろらなり。縁ありて乗り込む三人の探偵者。心逸る長い夏休みの出口。行き先はそう、彼と彼女と約束したあの場所。秋の終わりの普門館。普通であることを願う少年を前に待ち受けるは背信者探しに消失者探し。もはやwheredonitとしか言いようのないこの狭く気高き密室は機巧細工の匣にて、三重四重の入れ子細工。綾織りなす衒学と虚飾妄想、蘊蓄。子供は弑せぬその優しき思い数奇な縁で繋がりて。そう、数奇な縁にて。2011/11/29
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
32
天帝シリーズ五作目。めちゃおもろかった。前作の戦艦の壮絶な撃沈の中、約数名の生き残りであるまほろと栄子は数日間のアメリカでの軟禁状態を強いられた後、日本帝国の美しき超音速旅客機「おおろら」で成田へと帰還する予定。(この時点で金之助と美沙さんと二条警視と紙谷さんどうなったの状態)豪華絢爛な機内で出逢ったのは金髪美女ローズ。そして起こるハイジャック事件。無双が如く殺害される60余名。残された政府要人、軍人、警察、まほろ達約10数名。そんな中あり得ない失踪、殺人事件が起こる。2016/02/20
藤月はな（灯れ松明の火）
29
超高速飛行機内での痛切な怒りによって引き起こされるハイジャック。「手引きしたのは誰か？」という疑問は飛行機内で起こる事件を巻き込み、混迷と化す。のっけから碇指令の言葉から始まるエヴァネタの炸裂、ガラスの仮面の名台詞、版組は変わるが相変わらずのルビと隠して如何わしさを増す卑猥語も健全。講談社では絶版となった天帝シリーズ、再始動。世に存在する真実の強姦者及び視姦者、もしくは本格推理を狂愛する者及び憎悪する者よ。その眦を見開き、論理の展開を己が脳内に焼き付けよ。2012/01/12
朝比奈さん
26
読者への挑戦、多すぎます。そう簡単に退場したと思ってはいけないのだよ君ぃ！ってお話でした。あ、ネタばれ？ あと、駅で500円玉を拾っている男の話、全作品に出てくるけど、あれそろそろネタばらししてほしいなあ。栄子さんカッコいい！よっ、ハマーン屋！（違）2013/03/24
