内容説明
柳生家に代々伝わる秘宝“こけ猿の茶壺”には、埋蔵金の地図が隠されている。その壺が江戸へ搬送中に盗まれた。必死の捜索を続ける柳生軍団。そんな時、壺を抱えた少年が左膳の許へ飛び込んできた。主君を見限り、浪人暮らしの彼が壺争奪戦に参入したことから、江戸にふたたび血の雨が降る。果たして壺は誰の手に…。痛快無比の時代活劇。
著者等紹介
林不忘[ハヤシフボウ]
1900年、新潟県佐渡生まれ、小説家、翻訳家。本名・長谷川海太郎。別筆名を牧逸馬、谷譲次といい、時代小説の他に、海外ミステリーの翻訳や、怪奇・通俗小説を発表。一人三役のエネルギッシュな活躍は、文壇のモンスターと呼ばれた。その多忙を極めた作家生活は、10年に満たない。1935年没
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感想・レビュー
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MIRACLE
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埋蔵金の地図を封じた茶壺「こけ猿」を、丹下左膳、所有者で柳生藩、源三郎(藩主の弟)、源三郎の婿入り先(司馬道場のお蓮・峰丹波)、幕府が奪いあう、という筋書きだ。ところが、ぼう大なページ数の割に、物語が前に進まない。本作は500ページ余りの分量だが、地図が壺に入ったままで、宝探しに至らない。また、アイディアも平凡だ。前作「乾雲坤竜」では名刀の奪い合いだった。本作はその二番煎じで、工夫がない。文体も前作とことなり、「だである調」に「ですます調」が混ざり、統一感がない。これもマイナス。2012/12/30
tekesuta
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浪人になった左膳が妙に陽気なアウトサイダーになってる。だが泰軒先生と違ってどこまでも利己的なのがいい。萩乃へのラブレターは笑った。 2011/12/12
冬至楼均
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やはり一巻とはキャラが違う。2010/12/17
玉号
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大衆小説として愛されて、実写で左膳役を何人もの俳優がやってる、というのも面白いと思う。現代なら誰だろうなあ。2009/07/11
asanosatonoko
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江戸に根付いた丹下左膳が、今度も大暴れしている。しかも前作よりも、人間味が増して奥深くなって、より感情移入しやすくなっている。こけ猿の巻は前半で、日光の巻に続いているようだ。2019/04/13