光文社新書<br> アスペルガー症候群の難題

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光文社新書
アスペルガー症候群の難題

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  • サイズ 新書判/ページ数 341p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334038236
  • NDC分類 493.76
  • Cコード C0211

内容説明

私たちは、1997年の酒鬼薔薇聖斗による犯行に戦慄し、2000年の「17歳の犯罪」を経験し、動機の理解できない少年凶悪犯罪の数々に驚きを持ってきた。2014年になった今でも、その犯罪と動機を理解し得ないままだ。しかし、10年あまりの歳月が過ぎ、これらの事件を見返してみると、アスペルガー症候群という鑑定結果や診断が下された事件が多いという点に気づかされるのだ。本書では、アスペルガー症候群の特性と犯罪に関係があるのか、という疑問に、現在まで積み重ねられてきた科学的知見に基づき、できる限り答えようと思う。

目次

第1章 アスペルガー症候群の特性と犯罪
第2章 暴力行為の防波堤は家族
第3章 暴力アスペの問題と海外の研究
第4章 犯罪事件をふり返る
第5章 少年犯罪とアスペルガー症候群
第6章 アスペルガー症候群と医療観察法
第7章 精神発達病理学的視点とADHD
第8章 これから私たちが考えること

著者等紹介

井出草平[イデソウヘイ]
1980年大阪生まれ。専門は社会学。博士(人間科学)。大阪大学非常勤講師。大阪大学人間科学研究科博士後期課程修了。大阪府子ども・若者自立支援事業専門委員。2010年度より大阪府のひきこもり支援事業に関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

依原撫子

22
一年ほど前にアスペルガー当事者となったことや最近のここに挙げられている方が話題になったこともあって読んでみることに。私はその頃に別の診断を受けて療育を少しの間受けていたので、確かになーと思うこともありました。ただ成年になってからアスペルガー当事者となったからか、そうなのかなあと疑問なところもあったりしたので、全部が全員そうとも限らないと思いますし、下手すれば理解不能のいい口実として利用されてしまうのではないかと思ったのも事実です。それでも応じた対応がなされる社会になって欲しいと思います。2015/07/01

澤水月

19
90年代に海外猟奇もの読んでた身としては日本はDSMと違う尺度で福祉に繋げる事実にまず衝撃。また躾など「なる」ものでなく「生まれる」ので、幼児期に確定診断し暴力親和性低めるべき、加害被害双方の悲劇を現実に無くすのは皆の幸福、もちろん差別になってはならぬと繰り返す姿勢に好感。しかし3〜6歳、養育者聞き取りせねば確定できず酒鬼薔薇時はまだ浸透してない新概念とは…(巷に溢れる診断がついた大人たちはなんなんだ?ちなみに自分は全項目当てはまったが両親他界で闇の中だ)。エビデンス開示で数字多く読みやすくはない2015/01/26

ひろか

11
けっこうあっさり読めた。挑戦的なテーマを、科学的に分析。関連する文献をほぼ網羅しているとのこと。あとがきの診断とは、の章は、専門家、非専門家に向けた、ある意味挑戦的なメッセージだ。2014/11/12

ひじり☆

10
重罰化が原因を無くすための効果という視点では全くないとあったが、だから治療といってもその効果も明確ではなく再犯率も低くないという状況で単純に重罰化を否定するのもいかがと思った。偏見は良くないが理解を深める事で支援や解決法も模索して行く必要を訴えているのには共感する。クラスの半分が支援が必要なのに、担任は一人という状況が実際今現場で起きているから…2017/03/06

ナナシ

5
【p133 特別支援教育は、親と子どもが通える学校や学級を選択できるという利点はあるが、一方で、学校や教育委員会側が適切だと思う教育機関に子どもを移動させることができない制度でもある。】アスペルガーの入門として分かりやすい。何事も、対処のために必要なのは責任探しではなく、落ち着いた分析だ。2015/06/29

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