光文社新書<br> 自由という服従

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光文社新書
自由という服従

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  • サイズ 新書判/ページ数 228p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334032869
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C0210

内容説明

「自由だからこそ、人は権力にとらわれていく」「自由でないことが問題なんじゃない、自由であることが問題なんだ」―そういった直感を、学問というフィールドで表現することはかなり難しいことでした。いくら理屈を積み重ねてもなかなか周囲の人に理解してもらえず、自分は何か決定的な思い違いをしているんじゃないか、そう思うこともありました。そういう試行錯誤を二〇年近く繰り返してきたわけですが、それだけ年を重ねると最初は直感でしかなかったものの姿も、かなりクリアになってきたように思います。この本は、そうやってみえてきた姿を、できるだけわかりやすく説明しようとした結果の産物です。

目次

第1章 自由なら、幸せですか?
第2章 理由なき服従―W杯代表選考の場合
第3章 抵抗する、という服従―サボタージュするOLの場合
第4章 自由恋愛、という支配―男と女の場合
第5章 一人前になる、という服従―建築労働者の場合
第6章 自由だと、つらいですか?

著者等紹介

数土直紀[スドナオキ]
1965年メキシコ生まれ。主に神奈川県で育つ。東京大学文学部社会学専修過程を卒業後、東京大学大学院社会学研究科社会学Aコースに進学。博士(社会学)号を取得する。信州大学人文学部助教授などを経て、学習院大学法学部教授。専攻は、社会理論・数理社会学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りょうみや

23
数理社会学が専門の著者らしくゲーム理論の観点から「自由」を論じている。サッカーや社内OLなど具体歴がわかりやすい。社会的に束縛が少ない地位にいるためには他者から評価されないといけない。そのためには社会模範に服従しなければいけない。心の奥底では何を考えているかわからない他者と暮らしている以上好き勝手にはできない。言葉だけで自由を論じるよりもすっきり理解できる。2022/06/16

Humbaba

13
何をやっても評価されないという弱い立場にいることで、死後音の優先度を自由に決めるという強さを手に入れる。誰でも出来る仕事であっても、誰かがやらなければならないからこそ会社は人を雇っている。そのため、その集団がある一人に関連する仕事だけを拒否すれば、その人物の仕事は回らなくなる。立場的には低くとも、その低さを利用して強者を振り回すことも可能となる。2013/09/09

大ふへん者

8
再読。『自由という服従』という逆説的なタイトルだが、政治哲学をやっている者にとってはむしろ共感を呼ぶものだろう。アダム・スミス的なアンチテーゼ、すなわち「自由」であるということは「他者の評価」から逃げられないということである。服従であると自覚しない服従=「流行」など、日常感覚からも理解しやすい議論が豊富。予備知識も全く要らないので、広く薦めやすい。2013/12/24

たばかる

7
新書365より選書。タイトルから固そうな議論が展開されるのかと思われがちだが、監督と選手、会社のOL、男女の恋愛と言った身近な人間関係の中から自由についての論を進めるため案外読みやすかった。他者のいるこの世界で自由を定義することの難解さを示していた。ただそれぞれの例示で自由というテーマに直接結びつき難い内容もあったように感じられた。2018/05/27

だいすけ

7
服従は自由と対極に位置するものではなく、まさに自由であるがゆえに不可避的に存在するもの、それが服従なのだという内容。こんなことは考えたこともないし、ある意味目から鱗。確かに内容としては面白い。ただ、少しこじつけ感もあるかなと。でも、自分の中に昔からあった自由と権力というテーマについて、長年にわたり取り組んできたことはすごいことだし、その努力のあとが感じられる本書の内容だった。2017/11/15

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