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江戸の遠近法―浮絵の視覚

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  • サイズ A5判/ページ数 287,/高さ 23cm
  • 商品コード 9784326800315
  • NDC分類 721.8
  • Cコード C3071

出版社内容情報

浮世絵の世界に忽然と現われた浮絵。それは日本と西洋の視覚の出会いが生んだ奇妙な果実であった。芝居と遊郭を描く作品の空間構造を手がかりに,浮絵の成立と変容に迫る。

【目次】
序章 元文4年(1736)のヘッドライン・ニュース
 1 「元文太平記巻第四目録」
 2 浮絵の歴史
 3 浮絵の出自
 4 課題と方法

第1章 延享2年(1745)のパースペクティヴ―奥村政信「大浮絵」をめぐって
 1 二つの遠近法
 2 《芝居狂言舞台顔見せ大浮絵》について
 3 《堺町葺屋町芝居町大浮絵》について
 4 《新吉原大門口中之町大浮絵》について
 5 《新吉原二階座敷土手ヲ見通シ大浮絵》について
 6 《両国橋夕涼大浮絵》について
 7 《駿河屋越後屋呉服店大浮絵》について

 8 江戸名所シリーズについて
 9 延享2年の遠近法

第2章 <第一世代>の「浮絵歌舞伎芝居図」―室内空間を見る眼差し―
 1 「浮絵歌舞伎芝居図」の二つの系譜
 2 鳥居清忠の「浮絵歌舞伎劇場図」
 3 奥村政信と鳥居清忠の遠近法
 4 <第一世代>の「浮絵歌舞伎劇場図」
 5 「浮絵歌舞伎劇場図」と報道性

 6 <第一世代>の遠近法―室内の場合

第3章 明和4年(1767)のスナップショット―歌川豊春の「浮絵歌舞伎芝居図」
 1 <第ニ世代>の「浮絵歌舞伎芝居図」
 2 歌川豊春の革新
 3 「浮絵歌舞伎芝居図」の変容
 4 歌川豊春以後の「浮絵歌舞伎芝居図」
 5 江戸と上方

第4章 「浮絵新吉原大門口図」の軌跡―野外空間を見る眼差し―
 1 「浮絵新吉原大門口図」と『吉原細見』
 2 <第一世代>の作品の検討
 3 「浮絵新吉原大門口図」の系譜
 4 <第一世代>の遠近法―野外の場合―

第5章 明和7年(1770)のランドスケープ―<第ニ世代>の「浮絵新吉原大門口図」
 1 <第ニ世代>の上限と下限
 2 年代考証と『吉原細見』
 3 「浮絵新吉原大門口図」の変容
 4 <第ニ世代>の遠近法

第6章 浮絵の視覚―はけ先の間から透かして見れば―
 1 「浮絵」についての証言
 2 助六の経験
 3 遠近法の眼差し
 4 助六の年代記
 5 浮絵の物語
 6 浮絵から風景版画へ

終章 寛政7年(1795)のアートギャラリー
 1 薫斎政美について
 2 和泉屋について
 3 歌川豊国について
 4 柱絵・相撲絵・宝船
 5 浮絵の<地位>
 6 結びにかえて


後記
浮絵関連事項
浮絵関連年表
収録図版一覧

目次

序章 元文四年(1739)のヘッドライン・ニュース
第1章 延享二年(1745)のパースペクティブ
第2章 〈第一世代〉の「浮絵歌舞伎芝居図」
第3章 昭和四年(1767)のスナップ・ショット
第4章 「浮絵新吉原大門口図」の軌跡
第5章 明和七年(1770)のランドスケープ
第6章 浮絵の視覚
終章 寛政七年(1795)のアート・ギャラリー

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

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0
消失点は紙の上の神であり、見る者の視座を決定する幾何学的遠近法はつまり、キリスト教的な「神と私」の対話に他ならない。暴論だが、遠近法の発見と西洋的価値観が分かちがたいのは事実だし、でなければ「浮絵」と呼ばれた、幾何学的遠近法を用いた浮世絵がセンセーションを呼ぶこともなかったはずだ。しかもその浮絵も完璧な透視図ではなく、旧来の浮世絵の並行遠近法との折衷であったという事実も、外来の神や神事を取り込んで平然としているこの国に相応しい不貞不貞しさである。ある意味日本人論の一冊。2010/07/12

ouosou

0
門外漢だがむちゃむちゃに面白かった。久しぶりに「次を、次を」の読書をした。/透視図法と平行遠近法は、表現したいものに即してテクニカルに選択されるということ。表現方法とは必要に応じて選ばれるものであると心得ていたい。2022/01/28

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