出版社内容情報
『不思議の国のアリス』や『小公子』から子供服は誕生した。その誕生と普及に絵本が果たした役割と、服に投影された人々の欲望を描く。
児童文学作品に登場する「無垢でかわいらしい」主人公の服は、従来の服にはなかった「子供らしさ」を価値として規定し、発信することによって子供服という商品を誕生させた。ヴィクトリア朝後期、中産階級の勃興と消費文化の確立を背景に、児童文学作品から子供服が生まれた経緯を辿り、服に投影された人々の欲望を描き出す。
[関違書] 同著者 『おとぎの国のモード』 (勁草書房刊)
序章 キャラクター子供服
1 子供服とは何か?
2 ヴィクトリア朝後期からエドワード朝期のイギリス社会
3 子供時代特有の文化の形成
第一章 アリスがつくった理想の少女服
1 『地底の国のアリス』におけるアリス像
2 テニエルが描くアリス
3 「黄金の午後」の服へ
第二章 レトロでかわいいグリーナウェイ・スタイル
1 『窓の下で』にはじまるグリーナウェイ・ブレイク
2 グリーナウェイ・スタイルのドレス
3 理想の子供時代をつくる服
第三章 ハバードおばさんファッション
1 異色のキャラクター
2 イメージアップ
3 ハバードおばさんドレス
第四章 フォントルロイ・スーツ
1 フォントルロイ・スーツができるまで
2 嫌われた理由
3 好かれた理由
4 男の子らしい服
第五章 セーラー服
1 セーラー服ができるまで
2 子供服としてのセーラー服
3 大英帝国を守る小さな水兵
4 良い子のユニフォーム
終章 理想的な子供時代とキャラクター子供服
あとがき
図版出所一覧
注
内容説明
身分制の解体と19世紀後半の消費文化の成立は、『不思議の国のアリス』『小公子』などの大ヒットとともに子供服というコンセプトを打ち立てた。ファンタジーを媒介とした欲望の体系、現代のモードの源流がここにある。
目次
序章 キャラクター子供服
第1章 アリスがつくった理想の少女服
第2章 レトロでかわいいグリーナウェイ・スタイル
第3章 ハバードおばさんファッション
第4章 フォントルロイ・スーツ
第5章 セーラー服
終章 理想的な子供時代とキャラクター子供服
著者等紹介
坂井妙子[サカイタエコ]
1990年日本女子大学大学院文学研究科博士課程前期修了。1995年ロンドン大学大学院博士課程修了(M.Phil.取得)。2004年ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館特別研究員。日本女子大学人間社会学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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