出版社内容情報
われわれの日常の生活体験において、せかいはさまざまなリアリティの相を持っている。われわれの生活世界は意識のあり方、価値規範のあり方、目標の優先順位のあり方などにおいて異なる複数のリアリティから成り立っている。本書はこうしたリアリティの諸相をテーマにするもので、三部構成からなる。第一部は生活世界の多元的リアリティを論じる。第二部はシュッツの社会学理論から何を引き出し、何をひきつぐべきかを考える。第三部はリアリティ構成論のもつ困難について論じている。現象学的あは開学の視座から閉塞した現代社会のパラダイム変換を
目次
Ⅰ 多元的リアリティとしての生活世界
第1章 生活世界の理論化をめざして
1 生活世界への投錨
2 リアリティの多元化について
3 ディス・コミュニケーションと「逸脱」
第2章 生きられる世界の解体と再編
1 生きられる世界のの多元性
2 発達過程への着眼
3 思考の発達
4 自我の発達
5 生きられる世界の多元性
6 生きられる世界の解体と再編
第3章 生活世界の分化と疎外
1 疎外への視角
2 分業と生活世界の分化
3 生きられる世界と疎外
4 現代社会と疎外
第4章 社会的リアリティ産出のメカニズム
1 リアリティの「客観性」
2 リアリティの多元性の根拠は偏在する
3 社会的リアリティの析出
Ⅱ シュッツ社会学とその方向性
第5章 シュッツにおけるレリヴァンスの問題
1 レリヴァンス概念の重要性
2 シュッツのレリヴァンス論
3 レリヴァンス概念の検討
4 レリヴァンス三相
5 レリヴァンス論の継承
第6章 シュッツ理論の二側面
1 シュッツに対する諸批判とその前提
2 シュッツ理論の「主観主義」的理解
3 レリヴァンスの問題
4 方法から問題へ
5 シュッツにおける第二の側面の意義
第7章 人間中心主義から脱中心化へ
1 現象学的社会学は主観主義的か
2 主観的解釈をめぐって
3 主観的解釈の公準の自己矛盾
4 主観性対間主観性
5 人間中心主義から脱中心化へ
Ⅲ リアリティ構成論の視座
第8章 社会学と生活世界
1 社会学と生活世界
2 フッサールにおける科学と生活世界
3 ポパーにおける批判的合理主義
4 社会科学の調査と対象
5 社会科学と生活世界
第9章 リアリティ構成論の再検討
1 近代主義批判と社会学への影響
2 リアリティ構成論の意義
3 リアリティ構成論の再構成と可能性
4 現代社会学におけるパラダイムの変換
第10章 憑依と離脱の社会学
1 「アナロジー」としての演劇
2 演劇的アプローチはなぜ演劇的か
3 演劇的とは何か
4 社会と演劇
5 憑依と離脱―社会学の<演劇的構成>へ
あとがき
初出一覧
内容説明
生活世界に投錨して日常経験の多元的な「現実」に迫り、閉塞した現代社会学のパラダイム変換を提唱する。
目次
1 多元的リアリティとしての生活世界(生活世界の理論化をめざして;生きられる世界の解体と再編;生活世界の分化と疎外;社会的リアリティ産出のメカニズム)
2 シュッツ社会学とその方向性(シュッツにおけるレリヴァンスの問題;シュッツ理論の二側面;人間中心主義から脱中心化へ)
3 リアリティ構成論の視座(社会科学と生活世界;リアリティ構成論の再検討;憑依と離脱の社会学)