出版社内容情報
知識の基礎を巡るフィヒテの哲学的探究は、しかし、知識の基礎にも根拠にも至ろうとせず、どこかにあると想定しがちな「確かな根拠」という幻想の根絶を目指していた。「この世の全ては夢かもしれない」という懐疑を引き受け、そのように徹することで、幻想に過ぎない何かを根拠として追い求める姿勢もろとも、この懐疑そのものを氷解させる。そこにフィヒテの呈示した「自我」があった。本書はそのような探究の軌跡としてのフィヒテ初期の主著を通じて、根拠の剥奪された知識が何に由来しどこへ向かっていったのか、彼のいわゆる「自我」は後の時代
【目次】
緒論 「わたし」とは何かという問い
第1章 知識学の背景と端緒
1 夢と現実の狭間
2 知が現象する場
3 絶対我と三原則
第2章 知の根拠という幻想
1 第三原則からの復帰の途
2 実在論と観念論の立脚地
3 知の根拠と基礎づける知
第3章 関係の完全性と歴史
1 実在論と観念論の彼岸
2 実践と反転の自己統制
3 現世=夢と知りしかば
結語 古典としての知識学
註
あとがき
索引
内容説明
フィヒテが現代人の内面に残した深い傷痕とは。彼の自我哲学の全貌を豊富な具体例と奇抜な解釈モデルから描き出し、現代の「わたし」を照射する。
目次
緒論 「わたし」とは何かという問い
第1章 知識学の背景と端緒(夢と現実の狭間;知が現象する場;絶対我と三原則)
第2章 知の根拠という幻想(第三原則からの復帰の途;実在論と観念論の立脚地;知の根拠と基礎づける知)
第3章 関係の完全性と歴史(実在性と観念性の此岸;実践と反転の自己統制;現世=夢と知りしかば)
結語 古典としての知識学
著者等紹介
瀬戸一夫[セトカズオ]
1959年生まれ。1990年東京大学大学院理学系研究科学史・科学基礎論博士課程単位取得退学。現在成蹊大学法学部教授。著書『講座ドイツ観念論』第3巻(弘文堂、1990年)共著。『真理への反逆』(富士書店、1994年)共著。『時間の政治史』(岩波書店、2001年)その他
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