内容説明
洋装、銀ブラ、ダンス/エロ・グロ・ナンセンス―。大正後期~昭和初期のモダン東京空間。メディアもマス文化になっていく。
目次
第1章 女学生―手紙というメディア
第2章 光と影―演劇・活動写真・舞踏
第3章 信憑性としての「見ること」―文化は一つ
第4章 都市の喧騒―雑誌の時代
第5章 モボ・モガ時代―イメージの時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポン・ザ・フラグメント
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モダンガールだけでなく大正末から昭和初期までのモダニズム全般を対象とする考察。中村進治郎というモダンボーイを体現化したような人物に興味を覚えました。どうして彼らは蕩尽し、生き急ぐのでしょう。女性にはモダニズムは進歩と自由の運動であり希望であったのに、男性には消耗戦を強いるものでしかなかったように見えるのは何故なんでしょうか。2012/12/16
mk
0
加速度化するメディアの登場によって生活の基盤全体が激しく動き始めた大正期は、横溝正史や江戸川乱歩の探偵物、吉本漫才のラジオ放送、流行雑誌の誕生などなど、現代人の生活感覚に身近なネタのゆりかごでもある。そんな時代の花形ともいえるモダンガールは、断髪と洋装の経験抜きには語れない。メディアと情報発信の拠点が変遷するありさまを追跡していく本書の叙述は、まさにその風景を垣間見せてくれる思いがする。後半はややモダンガール論から離れすぎた感もあるが。2016/04/27