出版社内容情報
現在,民族としての絶滅を余儀なくされた,ベトナム高地ムノング・カル族の村に,1年間暮らした著者による精密な記録。「資料の驚くべき豊富さと,民族学的文学とでもいうべき新しい文学ジャンルの開拓において,きわだった成果をあげている」と,レヴィ=ストロースも称賛。村で行われるさまざまな祭や儀式の細部まで描いた,貴重な民族誌。
内容説明
本書は、1948年5月から1年間、ベトナム高地民族の村に暮らした、フランスの人類学者コンドミナスによって書かれ、今なお読みつがれている名著である。村で行われるさまざまな祭りや農作業、結婚や誕生、葬儀をめぐる儀式などを、著者は独特な筆致で描写している。
目次
第1章 ムノング・ガルまたはプヒー・ブレエ(《森の民》)の人々―サル・ルク村
第2章 バープ・チャンの盟友関係―水牛の供儀交換儀礼
第3章 色男ティエングの近親相姦と自殺
第4章 魂を求める他界への旅
第5章 バープ・チャンの次女の結婚
第6章 石の精霊ゴオの森を食べる
第7章 バープ・チャンの三番目の息子の誕生
第8章 サル・ラング村の大地の祭
第9章 腰曲がりのターング=ジエングの死と葬式
第10章 石の精霊ゴオの森が終わり、プヒー・コッの森を食べる年を迎える