河出文庫<br> 江戸の二十四時間

河出文庫
江戸の二十四時間

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  • サイズ 文庫判/ページ数 311p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309473017
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0121

内容説明

江戸の一日は明け六ツの鐘の音とともに始まり、大奥の御錠口も長屋の木戸もこの時刻に開く。今の午前六時ごろ、将軍の起床する時間でもある。老中などの重職は午前十時には登城し、そのころには銭湯や本屋が開く。江戸城を中心として八百八町に生きた、あらゆる階層の人びとの、時々刻々の息遣いまでが聞こえるように、時代・風俗考証を徹底した社会史の傑作。

目次

長屋住民の二十四時間(寛政四年二月十九日)
堀田家廃絶の二十四時間(万治三年十一月十五日)
綱吉・将軍宣下の二十四時間(延宝八年八月二十二日)
岡っ引・吉原権九郎の二十四時間(明和六年六月二十九日)
旗本・細田時富の二十四時間(天明元年十二月十九日)
艶次郎・吉原遊びの二十四時間(天明七年某月某日)
将軍・家慶の裏表二十四時間(天保十二年四月十五日)
定町廻同心の二十四時間(天保十二年十二月二十三日)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saga

27
大正生まれの著者が、昭和それも戦後の世代に向けて丁寧に江戸の風俗を解説してくれる。町人、武士、将軍の過ごす一日を題材にしたことが興味深い。江戸を題材としたTV・映画などの時代考証に苦言を呈する、元大映京都撮影所勤務を経験した著者の言葉は重い!2018/06/20

陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙

18
時代小説の基礎知識として。春画や大奥本丸、図が多く楽しい。江戸時代の時刻計算は不定時法で一日を24時間で等分せずに、日の出入りで区切り時刻を決める。月の暦を使う為季節の表記にはズレがある。p20に光物、彗星の記述あり。先日の天文台でも江戸時代の資料に記載。長屋〜捕物〜武士〜将軍家までを史実と合わせた物語とし文化を表すので趣きが。将軍の食事は蒸飯で不味く庶民は旨い米を食す。ああ、目黒の秋刀魚。大奥の艶かしい記述に鼓動が高鳴る。所々にテレビの時代考証の甘さを嘆く一文有り。江戸文化のを一日の刻にて楽しむ一冊。2015/03/09

brink

4
いろんな職業の人の一日を朝から晩まで。小説風につづられていて、岡っ引きの一日などは捕り物帖を読んでるような塩梅で楽しかったです。2009/12/22

こみ

1
江戸の風俗を当時の実際の事件、人物の例を混ぜつつ紹介した本。ただの資料集よりは物語もあり、語りも面白く作られていて、かつ当時の時刻の刻み方や役職とその給料、出で立ちから建築に至るまでかなり細かく取り上げられており、それらの背景まで紹介されているので江戸の細かなことを知るための入門書としてよいかもしれない。本書中、著者が時代劇や時代小説の矛盾や誤りをたびたび指摘しているが、単なる教科書的な知識の丸暗記からではなく、時代背景や経緯を知った上での指摘なためか鼻につかないのも興味深かった。2019/10/05

むつみ

1
24時間という切り口が面白い。2015/06/10

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