内容説明
二つの世界から一つの地球へ。数千年に渡った国家の世界史は終ろうとする新たな地球・都市時代のキーワードはなにか?
目次
現代史と経済
都市化の時代
激動する世界のなかの中国
戦争と反戦
国家と人間
私生活
科学技術革命と世界
情報産業時代
国際政治のなかの日本
大衆的宗教改革の時代
シンポジウム―戦後の世界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じょあん
2
文化大革命中に書かれているだけにその実態がほとんど把握されていない。それだけに文化大革命をもう一つのある意味理想的な世界を形成する第一歩のような解釈をしていて驚く。これは夢を見すぎだろう。ちょっと見方が地に足がついていない感じで、自分には合わない一冊だった。2024/02/11
がんぞ
2
倒産した河出書房の歴史シリーズ《カラー版》の最終巻を文庫化したもの。執筆者は豪華。桑原はまとめ役。歴史にも歴史がある。チャイナが国際社会に復帰する以前の文化大革命について「スターリン粛清と違って中年以上の意識改革が目的と考えられる」とか「死者は出ていない」とか菊地昌典が書いている。1961年には地球の人口が30億を突破し「戦後で1.5倍になった」と驚いている。日本は対米戦開戦時の世界人口、朝鮮台湾満州含む4%から1.6%に低落した。GDP、CO2排出量(化石燃料消費量)割合は大きく伸びている、軍事力貧弱?2011/12/04
フェイ
1
第二次大戦から1969年までの歴史を描く。とはいえ、まだ文革の詳細が判明していないため皆がソ連とは違う社会主義建設としてもてはやしていたのに複雑な思いを感じる。そして、電子計算機の発展が書かれており、今のPCやインターネットの基本機能がだいたい網羅されていることに驚く。 2015年現在からみれば世界の歴史シリーズとしての価値は落ちてしまったが、当時の人間が時代をどう感じていたかを知る書にはなると思う。2015/04/19
MIRACLE
0
朝鮮戦争の終結から本書刊行までの16年間(1953-1969)までの世界について、歴史記述という方法ではなく、10名の識者が当時の重要問題について論じた論稿と、その合評会の記録、編者による文明批評風のエッセイを収録した異色の「最終巻」(梅棹忠夫が担当するはずだった第25巻の「人類の未来」が、未刊に終わったため)。「世界の歴史」的な視点からの分析をおこなっていないため、いずれの論稿も平凡な内容に終わっている。合評会の討論も、論稿の理解を深めるものではない。本シリーズのなかでは、最も出来の悪い巻といえよう。2017/03/05