内容説明
「科学の世紀」であった20世紀に花開いた知的エンターテインメント・SF。その最上の収穫を年代別に集成!第1巻は、奇抜で不思議なアイディアが次々と出現した、現代SF成立期の1940年代編。ねずみをのせた人類初のロケットが宇宙に消えた…ブラウンの表題作ほか、アシモフ、クラーク、ハインラインら巨匠たちが描く「いま・ここ」でない世界全11篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MICK KICHI
58
スペースオペラ等の冒険譚主流の1930年代から発展し、現代SFに連なる40年代のアンソロジー。 ◎「星ねずみ」フレデリック・ブラウン ◎「万華鏡」レイ・ブラッドベリ」◎「鎮魂歌」ロバート・A・ハインライン ◎「ベムがいっぱい」エドモンド・ハミルトン…が好みの作品。「万華鏡」は突出して素晴らしい。絶望感から詩情に変わる荘厳で美しい作品。それに続く「鎮魂歌」「星ねずみ」も作家の特徴が出ていて楽しめる。おバカSFの「ベムがいっぱい」は逆手に取った設定が視覚的で笑える。とり・みきさんのコミカライズで読みたい。2020/08/29
空猫
25
SFが読みたくなって。「珠玉のアンソロジー」と書くと何だか安っぽいけれど、他に言葉が見つからない。一部は新訳だそうでさらに読みやすくなっているしコメディ、ホラー、正統派…とジャンルが多彩なのも嬉しい。このシリーズ読破しようかな。2020/04/02
シタン
15
数ヶ月前に読んだやつ。巨匠の作品ばかりでさすがに面白いが、やはり時代を感じるのは仕方ない。SFは「S」要素のせいで、時代が進むにつれて面白くなるという、芸術らしくない特殊なジャンルだと思っている。面倒臭いSF読者がいるので、論文でもないのに新規性を問われたりする。伴名練も示唆していたように、こういうのを読破しようと思ったら、逆から(新しい方から)読んでいった方が良いかもしれない。ただ、物語としての魅力は永遠。たとえばSF的なアイデアは忘れても、「星ねずみ」のかわいさは忘れ難い。2021/08/14
k16
13
1940年代SF巨匠アンソロジー。 さすがにどれも面白い。 コメディ調のブラウン「星ねずみ」、ハミルトン「ベムがいっぱい」なんかSF好きでなくとも楽しめると思う。 解説もよかった。2021/08/27
Tadashi_N
12
SFに明るい未来があった頃2015/02/06