河出文庫<br> アフリカの白い呪術師

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河出文庫
アフリカの白い呪術師

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  • サイズ 文庫判/ページ数 334p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309461656
  • NDC分類 389.4
  • Cコード C0139

内容説明

探検家の書き記した旧きアフリカに憧れ、16歳で未開の奥地へと移り住んだイギリス人がいた。エイドリアン・ボーシャというその青年は、てんかん症とヘビ取りの才能が幸いして、白人ながら霊媒・占い師の修行を受け、アフリカの内なる伝統に迎え入れられた。人類の300万年の進化を一人で再現することとなった男の驚異のドキュメント。

目次

第1部 骨
第2部 石
第3部 血
第4部 土
第5部 水

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マリリン

42
エイドリアン・ポーシャがアフリカの奥地で生活し体験した記録であり、アフリカの歴史の一端でもあるドキュメント。骨・石・血・土・水...癲癇の持病・呪術という特異な才能と出逢いが未知で神秘的なアフリカの古代からの歴史を炙り出した。死は終わりではなくある種の移り変わり。生から死への変化は血液の消失、血液と月、女性の身体から流れ出る... 39才で水に沈んだ魂は晩年の度重なる癲癇の発作からなのか? 音楽(太鼓や歌?)や踊りには霊性があると聞いた事がある。この土地には理屈では語れない深い精神世界があるのか。2021/11/08

らぱん

22
イギリス人エイドリアン・ポーシャは1955年に16歳で単身徒歩でアフリカ奥地に向かう。レヴィ・ストロースの「野生の思考」1962年よりも前のことだ。ポーシャは持病の癲癇と才能の蛇使いで認められ呪術師となる。この伝記部分の合間に著者の解説があり、それも含めて物語としてかなり面白い。アニミズム、トーテミズム、呪術などなど。プリミティブにディープなアフリカを楽しめる。ポーシャが39歳で1978年死亡、この本の出版が1982年、ワトスンは69歳で2008年死亡、アフリカの精神世界はどうなっているのだろう。2019/03/27

りー

21
白人がアフリカ原住民の中で呪術師として認められるまでのドキュメンタリーということで、脚色こそあるもののたいへん面白い。呪術はそもそも互いに同じ文化の元にあれば効果を発揮するものだけれど、そのために大衆を巻き込んだり環境から整えたりと、実に理に適った仕組みがあるという点も面白かった。文化の違いを人間としての優劣で測ってしまう危うさへの警鐘もあり、知識としても読み物としても満足のいく一冊だった。2018/08/21

カネコ

6
◎ 再読したが、やはり抜群に面白い。本書の主役エイドリアン・ボーシャについて、国内では本書以外の情報を見つけられないが、海外のサイトでずばりThe story of Adrian Boshierというドキュメタリービデオを発見。本書読者に紹介します。http://vimeo.com/208031242014/02/12

あかつや

5
アフリカに憧れて16歳の時に未開の奥地へ単身足を踏み入れたイギリス人・エイドリアン・ボーシャを追ったドキュメント。彼はそこで断続的に22年間生活し、白人ながらもその呪術的才能を認められ修行を授けられる。西欧世界からは野蛮と軽んじられることも多いアフリカの文化に、実は深い知恵と精神性があることをボーシャは伝える。太鼓叩いて踊ったら雨が降るなんて、そりゃ普通に考えたらありえない。降っても偶然で片付けられる。でもそれはあくまでもこちらの理解であって、あっちにはあっちで次元の違う理があるんだろうなあ。面白かった。2021/05/18

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