内容説明
「祇園精舎の鐘の声…」で始まる平家滅亡の壮大な軍記物語を、『咲庵』などの傑作で知られる戦前の芥川賞作家、中山義秀の名訳でまとめた現代語訳版。上巻では、保元・平治の乱に続く平清盛の全盛時代、後白河法皇側の藤原成親を中心とする平家打倒の謀反「鹿谷事件」とその発覚、俊寛僧都らの鬼界が島への流罪、高倉宮の謀反と死までを、原典に則して克明に描く。
目次
巻の一(祇園精舎;殿上の闇打ち;鱸 ほか)
巻の二(座主流し;一行阿闍梨の沙汰;西光が斬られ ほか)
巻の四(厳島御幸;還御;源氏揃え ほか)〔ほか〕
著者等紹介
中山義秀[ナカヤマギシュウ]
1900‐69年。小説家。福島県生まれ。早大時代に横光利一らと知り合い、卒業後に三重県津中学の教員となってから「早稲田文学」に参加。教職を追われ妻と死別後の13年に『厚物咲』で芥川賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しょー
2
「鵺」は異質な節だと感じる。モノノケは平安時代からいるとされていたが、源平合戦の話をするなかでは浮いて見えた。 私は災いを払ったと解釈している。猛獣の集合体である鵺が、あらゆる災害を例えているように見えるからだ。頼政の力強さが、大河でも受け継がれたと改めて感じた。2013/10/07
meiji
1
原本に近いということでこれにしてみました。それでもかなり読みやすいです。2018/05/11
ちばなな
0
言わずと知れた平家の栄枯盛衰を描いた軍記物。平家が栄えて権力をほしいままにしていく様から清盛を諌められる唯一の存在であった重盛が亡くなり源氏の反撃が徐々に始まっていくあたりまで。教養って大事だな、と。2012/08/01
イガラシ
0
原文よりも現代語訳の方が読みやすいが、いつかは原文でも読めるようになりたいと思う。2011/01/12
水瀬しあ
0
脚色などはないに等しく、原作の雰囲気を保ったまま微妙に説明を加えつつストレートに訳されています。章段分けなどもそのまま。原文との対照に役立つかもしれません。 2005/09/07