内容説明
「幻想的な美術や芸術作品に惹かれる」生来の資質から渉猟しはじめられた膨大な「ヨーロッパの幻想画家の画集」や「悪魔学や錬金術やエロティシズムに関するテキストならびに研究書」のエッセンスを自由自在に組み合せ、渋沢龍彦自身の強い“好み”から見事に統一を与えられた伝説の美術論集。「マニエリスムからシュルレアリスムへ」という革命は本書から始まった。
目次
空間恐怖と魔術―スワンベルクとブロオネル
女の王国―デルヴォーとベルメエル
イメージの解剖学―ふたたびベルメエル
卵・仮面・スフィンクス―レオノール・フィニーの世界
夢みる少女―バルテュスの場合
混沌から生成へ―タンギーの世界
マグリットの冷たい夢―終末の青空
神の香具師ゾンネンシュターン―月の精の画家
サルバドール・ダリの両極性―堅いものと軟らかいもの
光り輝くルネサンスの幻影―ダリ展を見て
『百頭の女』と『スナーク狩り』―マックス・エルンスト
ピカビアと機械崇拝―あるダダイスト
存在し得ない空間―M・C・エッシャー
ボマルツォの「聖なる森」
崩壊の画家モンス・デシデリオ
だまし絵・ひずみ絵―ホルバインその他
メタモルフォシス―アルチンボンドを中心に
一角獣と貴婦人の物語
北欧の詩と夢―ベックリンとクリンガー
密封された神話の宇宙―ギュスターヴ・モロオ展を見て
幻想の城―ルドヴィヒ2世と郵便屋シュヴァル
人形愛―あるいはデカルト・コンプレックス
玩具考―古き魔術の理想
仮面のファンタジア
著者等紹介
渋沢龍彦[シブサワタツヒコ]
1928年東京に生まれる。本名龍雄。東大仏文科卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介するかたわら、人間精神や文明の暗黒面に光をあてる多彩なエッセイを発表。晩年は小説に独自の世界を拓いて、広く読まれた。1987年没
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