内容説明
江藤夫妻が、二十四年間ともに暮らした三匹の犬たち。東京・軽井沢・ワシントン・鎌倉と、在りし日の折々の生活を背景に浮き彫りにされる犬たちの姿。そして慶子夫人が愛情をこめて描き続けたさまざまなスケッチ。夫妻の共同創作を記念して、旧著『三匹の犬たち』の書名を変更し、新たに姪・府川紀子さんの感動の巻末エッセイを収めた、知られざる江藤家一族再会記。
目次
ダーキイ(動物的;引越し;仔犬と私;犬馬鹿 ほか)
アニイ(四つの葡萄色の瞳;オッパイ・デザイン;犬さまざま;犬とたもと ほか)
パティ(コッカーの三代目;フグ取りの話;仔犬のいる部屋;立春の日曜日 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうゆう
7
三匹のコッカー・スパニエルの娘、ダーキイ、アニイ、パティとの日々。犬から娘度のあがる付き合い。可愛くて可愛くて、仕方ないよね。が、あふれてくる。それだけに、妻に先立たれて、病に倒れた後の、江藤氏の最後がさびしい。2020/07/19
うえ
7
「八月二日には摂氏三十度まで気温が上がりました…軽井沢銀座の旧道には…焼きソバのソースの匂いがたちこめて、若い人がゾロゾロ歩いているだけですから、暑苦しくてやりきれません…ゲームセンターのようなものができて、新宿あたりの盛り場の一角を切り取って軽井沢の旧道に運んだ、とでもいうような趣きを生じていることです。その周辺にむらがっている若い男女の顔がまた、例年にも増して少しも美しくない。これだけ人がいるのだから、一人や二人はキリッとした若者らしい顔をした男女がいてもよさそうだと思うのですが」2017/01/26