内容説明
さまざまな生の領域でのイコノクラスト(聖像破壊)が極限的状況にまで進んでいる今、イコン(聖画)が表面にはりめぐらした殻を破り、美術史とも宗教学とも人類学とも違った方法でイコンを読みとく、知の壮大な実験の書。
目次
書
マンダラI―上昇する動き
聖ジョージの竜退治
動物に変身するシャーマン
天使図
マンダラII―マジックから密教へ
来迎図
ドリーム・タイム
洗札のヨハネ
遠くからのまなざし
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どらがあんこ
11
動的なシステムとしてのシャーマンの儀式に一元的なプロメテウスを組み合わせたものとしてマンダラを位置づけているのは面白い。都の超コード化や器官を越えた場所の速度という単語はドゥルーズを思い出させる。2019/01/28
ダージリン
3
「カイエソバージュ」シリーズは好きなので、本書はテーマ的に重なる部分も多く、80年代に書かれており著者の若さが感じられたのも面白かった。今後、宗教性はますます希薄となり、イニシエーションの場面も消えていく。このことが将来的にどの様な影響を与えるのか、答えが出る訳ではないのだが、あれこれ考えてしまう。2016/03/18
小林ミノリ
1
イコンをテーマに若き日の中沢新一が綴る聖なる絵画講義十講、狭義のイコンから漢字、曼荼羅図まで洋の東西問わず縦横無尽にほとばしる刺激的な論考、視覚と思考の象徴として存在するイコンの深層に迫る。
111
1
シャーマン2014/06/30
祐紀
1
始源の、根幹にあった、現代とは違う道徳規範から得るものは沢山ある。どちらがよいかじゃなく、どれを選択しそして活用するか。しかし読んでて思ったのは、現代にはイニシエーションがあるのだろうかという事。2010/05/30