いいなづけ―17世紀ミラーノの物語

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いいなづけ―17世紀ミラーノの物語

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  • サイズ A5判/ページ数 838p/高さ 23X17cm
  • 商品コード 9784309201344
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

内容説明

陰謀と裏切、戦乱と飢饉、ペストと狂気―スペイン軍支配の下、あらゆる邪悪のはびこる17世紀北イタリアを舞台に、若い恋人たちの織りなすスリリングな愛の物語。卓抜な描写力と絶妙な語り口で、時代の風俗、社会、人間を生き生きとよみがえらせ、小説を読む醍醐味を満喫させてくれる大河ロマン。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

loanmeadime

17
ペストが蔓延する中、無体な権力によって結婚を先延ばしにされた二人が最終的に結ばれる、とまとめてしまうと、それだけになってしまいますが、スペイン統治下で政治が機能していない、教会も強くは出られず、暴力がはびこる17世紀ミラノの苦悩とキリスト教の信仰に根差して明るく生きる人々が描かれます。アンパンマンのメロディーで"アッポンディオは君だー♪"という幻聴に少し悩まされましたが、最後まで飽きることなく読み通せました。今の今まで知りませんでしたが、大変な名著でした。2022/12/29

Speakten

5
名作を名訳で読める幸せ。 非キリスト教圏の人間としては、宗教が人民に及ぼす強大な影響力にあらためて気づかされ、そこには社会制度としての宗教に懐疑的な自分がいるのだが、同時に個々の登場人物や集団によって人を肯定的な方向に導く力が語られ、示されるとそれはやはり感動的なのであった。 効力があるんだかないんだかよくわからない数々のお布令や、自己中で臆病者の司祭や、ペスト説を否定してその根拠を哲学的に論じた挙句罹患する知識人など、そこはかとないドライなユーモアがよい。 悪疫流行諸相に向ける冷徹なまなざしも。2020/08/28

うぃっくす

4
聞いたことなかったけどダンテの神曲と並ぶくらいイタリアでは有名な話らしい。800ページ、読むの時間かかったけど面白かった!再読したい。17世紀のミラノを自分も生きれた気がしたね。ちょっとバカなレンツォと貞淑なルチーア、早く幸せになってよと思ったけどこの紆余曲折が大事だったのね。信仰とペストってイメージになっちゃったけど信仰がベースにある人は強いね。神父や枢機卿たちの言葉ささったよ。シニョーラにインノミナートとか周りの人たちもすごくよく書かれてたな。歴史はよくわかんなかったけど。。2019/03/18

ベック

4
たいへん楽しんで読みました。結婚を誓い合う二人が、運命によって引き裂かれ、数々の苦難を乗り越えてめでたくゴールインするという、たったそれだけの話が、これほど読み手を惹きつけてやまない魅力ある物語になっていることに驚きます。何が魅力といって、マンゾーニのおおらかで時としてユーモアを忘れず、時として鬼気迫る冷徹な描写に心底酔いました。人間の行動、思考の過程なんかもわかっていることなんだけどマンゾーニの的を得た言及に思わず膝を打ちたくなってしまいます。

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