内容説明
金賛汀渾身の最新ルポルタージュ。
目次
第1部 虚構の歴史に光(北京の柳絮;天山山脈の彼方から;残っていた金日成自筆報告書)
第2部 鮮血は荒野を染めて(中国大陸を舞台に;祖国の地に;パルチザンの誕生;闘いの発展、そして壊滅)
第3部 幻の狙撃旅団(越境者の逮捕・監禁;越境から旅団設立まで;第88特別狙撃旅団の成立)
おわりに ひそやかなる凱旋―虚構の歴史の誕生
あとがき―「パルチザン挽歌」を書き上げて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tadashi Totsuka
2
「朝鮮総連」に続いて読みました。金日成神話の崩壊ですね。全く嘘八百並べ立てて、朝鮮民族を騙して、金日成を神格化し支配してきたんですね。こんな嘘つき国家は、いつかは必ず崩壊します。著者のキム•チャンジョンさんは、去年お亡くなりになっていますが、ソ連や中国に行って、生き証人に取材して真実を伝えてくれたことに感謝です。2019/01/09
山葵
0
1992年出版。 著者は金日成がパルチザン活動をしていた頃に彼を知っている中国やソ連に住む生き証人たちを訪ね、本当の歴史を紐解いていく。金日成が指導したとされる会議も、活動も、全ては金日成とは関係ないものであった。金日成は中国やソ連の思惑に翻弄され、ただ国内に匿われて訓練を行うだけの一人の朝鮮の青年である(とはいえ、若くして軍の大尉ではあった)。浮かび上がるのは「偉大な首領」の姿ではなく、もっと人間らしい金日成の姿。それはそれで、私には興味深い「歴史」ではあった。2022/07/16