内容説明
てらてらと光沢をはなつ油絵の花魁や浦島太郎、観音菩薩などが本巻には登場する。異文化を同化してゆこうとするときに、伝統とのきしみがさらけだす奇怪なイメージ。しかし、それはどこかしら、洋服を着て味噌汁をすする現在のわれわれの姿にも似ていよう。本巻では、明治洋画をとおして、近代日本人の感性のあり方をも検証してゆく。
目次
高橋由一〈花魁〉
五姓田義松〈操芝居〉
浅井忠〈収穫〉
小山正太郎〈濁醪療渇黄葉村店〉
原田直次郎〈騎龍観音〉
松岡寿〈ピエトロ・ミカの服装の男〉
山本芳翠〈浦島図〉
川村清雄〈形見の直垂〉
付録(関連作品収蔵先一覧;関連年表;筆者紹介)