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内容説明
2009年6月13日、試合中の事故により他界した著者が遺した最後のメッセージ。それまでのプロレス界の慣習を見直し、プロレスを進化させた男の美学が詰まっている。現役レスラーにして経営者でもあった著者が、肉体的でない強さの意味や意義など、人間の生きる本質にも迫った名著。
目次
第1章 才能とは何か
第2章 真剣勝負とは何か
第3章 技術とは何か
第4章 進化とは何か
第5章 強い組織とは何か
著者等紹介
三沢光晴[ミサワミツハル]
1962年6月18日生まれ。埼玉県越谷市出身。足利工業大学付属高校時代にアマチュア・レスリングで国体に出場し、フリースタイル87キロ級で優勝。全日本プロレス入門後、2代目タイガーマスクとして活躍し、ヘビー級転向後は、全日本プロレスに存在するすべてのタイトルを獲得。2000年7月、理想のプロレスを目指し、(株)プロレスリング・ノアを設立。その後創設されたGHCヘビー級タイトルに三度輝く。過激な闘いと個性的な選手の輩出、卓越した経営プランで、ノアを業界トップの人気団体に押し上げた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T2y@
21
衝撃の事故からちょうど5年。 私にとって数少ないヒーロー、三沢光晴の書をようやく手にす。「辞めどき」を語る件を読むに、まだ複雑な思いも残る。トップレスラーによるプロレス道は、最近読んだ世阿弥の『風花姿伝』からの学びにいささかも引けを取らず。 “物事を貫き通す信念にプラスして、その対極にある柔軟性を。” プロレスラーはやっぱりすごいんです!2014/06/18
ツバメマン★こち亀読破中
16
試合中の事故で三沢選手が亡くなってもう6年か。当時はもうプロレスをあまり観なくなっていた時期でした、もっと観ておけば良かったなあ。「成功とは、前向きな失敗の積み重ねのことをいう」「『がんばります』より『がんばりました』を聞きたい」という三沢の理想を胸に社会というリングで闘っていきますよ!2015/09/02
緋莢
13
2004年刊行のものに、寄稿等を加筆して文庫化したもの。刊行は2009年9月。著者が亡くなって数か月後です。「プロレスは真剣勝負か否か」の中に<プロレスでは致命傷にならな技なら、避けずに受ける場合がある。その理由はここでは触れないが それを指して、「真剣勝負でない」と言うのであれば、その意見に対しては反論しなければなるまい。>、「ロープに振られた選手はなぜ、素直に戻ってくるのか」という中では(続く2019/12/15
buy-obey-consume
1
2009年、惜しくも試合中の事故で急逝した三沢社長の人生哲学。良いプロレスとは、いかにお客さんを楽しませ熱狂させるかに尽きる。長年の経験から語られる言葉は英知に富み、プロレスラーでない我々にも多くの示唆を与えるとともに、プロレスへのかぎりない情熱に溢れた文章で元気も出てくる。
bittersweet symphony
1
2004年に出版されたものの加筆・文庫化。プロレスの技術論・勝負論がロジカルな破綻なしにきちんと語られている(少なくともいわゆる暴露本の類よりははるかに)ように思えますが、そのロジックがアンチ層に伝わることはないだろうと思えるのも確かなことのように思います。スペクタクルスポーツとして正当に評価をしてもらいたいという強い思いがあって、結果的にその道程の途中で人身御供になってしまったのが無駄になることのないよう願うのみです。2009/10/01