出版社内容情報
曹操の大艦隊に圧倒された周瑜は、戦旗が当たったことを口実に寝込んでしまう。周瑜の不安を察した孔明は、火計を用いるには東南の風が必要だと説く。孔明は祭壇にたち、風を祈る。東南の風を呼び起こした孔明は、周瑜のもとを去り、敗走してくる曹操を迎え討つ準備を整える。周瑜率いる呉軍は火攻めの計で、曹操に一大決戦を挑む。
目次:
突風/東南風/誓紙/青竜旗/赤壁の戦い/敗走/炊煙/山越え/功なき関羽
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わたー
12
★★★★★遂に運命の赤壁の戦いの火蓋が切って落とされる。過去に例を見ない程の大軍を用意して物量で押し切ろうとする曹操に対し、孔明の授けた策が炸裂する。増長した曹操の鼻っ柱を圧し折るかのような爽快さが良かった。続く、魏軍の撤退戦も、情に篤い関羽が曹操を敢えて逃すことや、それまでも見越して策を練っていた孔明の先見の明が素晴らしい。2020/03/29
gtn
11
孔明の計略が当たり、赤壁の戦いにおいて呉に大惨敗を喫した曹操。部下の大半を失い、敗走に敗走を重ねた先に立ちはだかる関羽。だが、昔受けた恩が脳裏から去らず、曹操を見逃す。関羽の唯一の弱点、情の厚さが肝心な場面で出てしまった。平時であれば、人として最も尊ぶべき姿であるが、大事の時、それがどれだけの禍根となるか。2024/02/24
みゃーこ
10
孔明毎年10月の東南の貿易風をすでに知っている。「軍師の智謀は神に通じる」と評された孔明当時としては神としておそれられたに違いない。自然を常に味方につけていた孔明を恐れた周喩は孔明を討とうとするも失敗。赤壁の戦いは魏の大惨敗に終わる。「関羽は驕る者には強く弱き者を助ける任侠に富んだ人であり、その義のために身を捨て深く恩を忘れず背次の士」であることも孔明は判っていながら関羽に義を返させたところもすごい。2012/12/04
みゃーこ
9
「敵を謀るは敵の知恵の度をはかるをもって先とす-(孔明)」まず相手をよく知ることが肝心。「赤壁の戦い」曹操を討つことができないと孔明が予言したとおり関羽には曹操が打てなかった。「生き延びれるなら生き延びたい。そこで昔お前にかけた恩にすがってみたい」…関羽は情に負け曹操を逃してしまう。その罪に対して孔明が「死罪」を言い渡すシーンが良かった。あくまで孔明は軍紀の乱れを恐れての演技だが孔明らしいと思う。2012/12/03
しの
8
関羽がやっと腑に落ちたね、孔明のおかげで。。。というか孔明、ほんとに敵に回したら怖いタイプ。なんでもお見通しだわ。2016/11/27