出版社内容情報
《内容》 どの学問分野の小さな窓から見ても、その姿はいつもフレームをはみ出している……医学・看護学・社会福祉学・哲学・宗教学・経済・制度等々のタテワリ性をとことん排し、積極的に“越境”することなしにケアの豊かさをとらえられないと考える著者の刺激に満ちた論考。時代は、境界線引きからクロスオーバーへ! 《目次》 ケア学-越境するケアへ ― 目次はじめに 003I ケア学の必要性 013 1 ケアすることの意味 014 2 ケアのモデル/越境するケア 034II サイエンスとしての医療とケアとしての医療 055 医療モデルの意義と限界 1 複雑系・EBM・標準化 057 2 病いのエコロジー 065III 老人・子ども・ケア 091 生活モデルの新たな展開 1 人間の三世代モデル 093 2 老人の時間と子どもの時間 104 3 コミュニティそして自然 116IV 超高齢化時代の死生観とターミナルケア 133 スピリチュアリティの次元 1 これからのターミナルケアへの視点 135 2 超高齢化時代におけるターミナルケア 144 3 ターミナルケアと死生観 155 4 深層の時間とターミナルケア 168V ケアにおける医療と福祉 183 1 医療・福祉職種の役割分担 185 2 医療保険と介護保険の関係 202VI ケアと経済社会 223 1 看護の経済的評価 225 2 ケアの市場化と社会保障 238参考文献●「ケア」について考えるためのブックガイド 261あとがき 263
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
16
看護や介護に狭く限定されていた「ケア」を、医療福祉にとどまらず今の社会の課題を貫くコンセプトとして思い切り広くとらえた本。病気を治す=問題を解決することだけ考えていればよかった時代は終わったことを前提に、問題の中身に応じて「うまく付き合う」ことへ向かう。抽象論に行くと思ったら即物的な制度提案があったりと、読んでてぐいっと自分の側の前提を左右されるというちょっとマゾ的に気持ちいい読書だった。こういう広さ・自由さは上野千鶴子『ケアの社会学』では感じなかったな。いい悪いじゃなくて、ただ守備範囲が違うだけ。2013/04/13
すと
2
自分の問題意識に関連するところについて書かれており、視野が広がったとともに刺激を受けた。著者の他の本も読んでみたい。2016/09/10
my
2
教養の科学史から厚生省の著者。わかりやすく多面的に看護の在り方を模索した良書。最終章の経済の中での立ち位置への言及がおもしろかった。2011/06/26
ponyolon
0
2000年初版でこの内容凄い。最近考えてることとめちゃくちゃマッチしてました。2021/12/05