感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
二人娘の父
11
証言のほとんどは著者による生存者、それは主として正規の兵隊ではない属性を持つ方々からの聞き取りである。刊行は1984年。調査はその2年前なので、施政権返還から10年後頃のものである。当時はこれだけのリアルな証言を直接聞くことができたのだ。本書の希少性がここにある。翻って現在、政府が遮二無二突き進む「敵基地攻撃能力」保有と、沖縄県を中心とする琉球弧を防衛線とする計画について考える。まさに1945年の沖縄戦を再現するものであり、その思考に戦慄を覚える。再び沖縄県民を犠牲にしてはならないと強く思う。2022/12/27
Takao
6
1984年11月15日発行(1991年6月25日、第1版第5刷)。「敵基地」を攻撃すれば当然反撃され戦争が始まる。「戦場」では何が起こるのか…。当時青少年だった証言者の証言を通じて、あの時起こっていたことを若い人たちに伝えようとして編まれた。「平和な時に戦争が準備される、というこの事実を、若い世代にみなさんに知ってもらうために、戦争を生き残った私たちは後世に語り継がなければなりません。戦争が起きてから、戦争をやめさせることはできません。戦争のない平和の時に、戦争が絶対起きないようにしなければなりません。」2022/07/06