感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
36
戦前・戦中は学問の自由は許されなかった。少しでも国体(絶対主義的天皇制)を脅かすと捉えられると治安維持法によって最高刑は死刑として思想弾圧がなされた。特にマルクス主義やその周辺の位置にいるものへの弾圧は虐殺・獄死を多く生みだした。そうしたなかで転向することで逃れようとするものもいた。しかし闘い続けるものもいた。本著は戸坂潤を代表的に取り上げながら、戦時下においても学問と政治を結びつけ闘い続けたその意義を考えたものである。著者である古在は晩年共産党から離れるがマルクス主義哲学の視点は学ぶところが多かった。2018/11/30