この国はどこで間違えたのか―沖縄と福島から見えた日本

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  • サイズ B6判/ページ数 309p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784198635091
  • NDC分類 304
  • Cコード C0036

内容説明

原発事故、オスプレイ配備、米軍基地問題、地方の犠牲―。今こそ問い直そう。ニッポンが沈没してしまう前に。

目次

どこまでも属国根性(内田樹)
「ムラ」の瓦解は早い(小熊英二)
物語の中に答えはない(開沼博)
自治踏みにじる原発(佐藤栄佐久)
神話にすがる日本人(佐野眞一)
カネの切れ目は好機(清水修二)
「なつかしい」未来を求めて(広井良典)
徹底的な破滅から光(辺見庸)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寛生

49
【図書館】「この国は」とあるタイトルだが、なぜか読書中脳裏から「この『私』はどこで間違えたのか」という問が離れなかった。所謂「日本国民」として僕の中にあった〈戦後の神話〉が、あの日3・11に同じくしてメルトダウンしたように感じられずにはいられない読了感。何か隠蔽されてきたもの、集団的無意識の中にある〈自己〉が露にされ、まるで銃口の前に立たされているかのよう。偶然的に白川がいう属国を脱しなければならないという気迫がないという声が本書でも木魂し、特に内田樹や辺見庸の意見が鮮明に迫ってくる。私も日本もおかしい。2014/11/12

昭和っ子

24
内田樹さんの文章を読んでいて、こんなに米国頼みで日本の社会が出来上っているのにこれからどうなるんだろう…と思わされて涙まで出て来てしまった。でも、基地、原発がなければ日本は立ち行かないというのは完全なる刷り込みだ、とこの本に終始書いてあった。「基地問題は、もう67年も負債を払い続けてるんだから負債も完済したという事で勘弁して下さいよ。まだ足りないとおっしゃるなら一体いつまでどれほどお払いしたら気が済むのかはっきり言って下さい」こんな交渉をもうやってくれているのかなぁ?やっぱり問題外なのかなぁ!?2014/11/30

Gatsby

18
まともに新聞を読まなくなって久しい。一応購読はしているけれど、まじめに読んでるのは、主として書評のページと文化欄だけである。この本は沖縄タイムスの記者が沖縄と福島をつなげて考え、8人にインタビューをしたもの。沖縄タイムスには掲載されたのだが、全国紙にはまず載らないだろう。こういう視点で捉えて、考えようとする姿勢がない。もちろん、この本の8人が書いていることがすべて正しいとは限らないが、でっかい新聞に載る記事だけで物事を判断していては、おそらく後悔することになるだろうと思う。2012/12/25

ゆう。

14
8人の識者にインタビューをした本。沖縄は米軍基地で、福島は原発事故でそれぞれ差別を受けている現実に、私たちがどのように向き合う必要があるのか考えさせられます。僕が感じたのは、沖縄も福島も利益優先、米国への従属のもとで、住民や市民が置き去りにされてきた歴史があるのだと思いました。アメに食いつかないと文化的に生きることを許さないムチをちらつかせ、住民に犠牲を強いてきたのです。ただ、この本はこれまでの既存の運動に対して低評価です。僕は既存の運動と新しい運動が結びつくことに将来の希望があると思いました。2014/04/26

壱萬弐仟縁

14
「小さな共同体に活路」(内田樹氏、60頁~)。脱原発ではそうだが、昨今の山口県の限界集落で起きた、老老殺人事件(村八分が原因)も共同体であり、なかなか、共同体も一長一短である、難しさがある。「利権政治の機能不全」(小熊英二氏、73頁~)。軍縮にいくのが正論だが、移転しか語られないのがどうしたことなのか。それで、TPP交渉能力がある、と言えるなんて? 静かな怒りを秘めた開沼博氏(131頁)。清水修二氏のNIMBY問題(219頁)。自分の裏庭にはあってほしくない。これは困ったものだ。利己主義の人間像。憂鬱だ。2013/07/26

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