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文春文庫
「疑惑」は晴れようとも―松本サリン事件の犯人とされた私

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  • サイズ 文庫判/ページ数 267p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167656041
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

いまや周知の冤罪事件となった「松本サリン事件」。1994年6月27日、最大の被害者だった河野さんは警察の見込み捜査で犯人と疑われ、そのリーク情報をもとにマスコミも疑惑報道をくりひろげた。無実が証明される、翌95年3月20日の「地下鉄サリン事件」の発生まで9カ月にわたる河野さんの無実への苦闘の全てがここにある。

目次

第1章 被疑者から被害者へ
第2章 九四年六月二十七日
第3章 家宅捜索
第4章 事情聴取
第5章 自白強要
第6章 逮捕に備えて
第7章 マスコミ報道
第8章 謝罪
第9章 “増補”妻との日々

著者等紹介

河野義行[コウノヨシユキ]
1950年愛知県豊橋市生まれ。73年名城大学理工学部卒。76年長野県松本市に転居し、結婚。94年に「松本サリン事件」に巻き込まれ、長野県警やマスコミによって犯人扱いされる。潔白の証明と名誉回復のため、日本弁護士連合会人権擁護委員会に人権救済を申し立て、また地元新聞社に対して民事訴訟を起こす。期せずして東京で「地下鉄サリン事件」が発生し、無実が証明される。マスコミ各社、県警本部長、国家公安委員長らが相次いで謝罪。その後はサリン被害後遺症で寝たきりの妻を看病しつつ、シンポジウムなどで、客観的報道の重要性を訴えている
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

秋 眉雄

14
一つの社が謝罪すると、横一列雪崩を打つかのように、いっせいに他の社が謝罪しだす。事の善し悪しは別として、「いや、信念持ってやっているんだから、絶対に謝罪しない」みたいなところが一社も無いというのがむしろ恐いです(いや、当事者としたらたまらない話ですが)。右見ろったらみんな右を見る国。おそらくそれが冤罪を生んでしまう日本の体質という事でしょうか。誰にも決して起きてはいけない事ですが、誰にも決して起きないとは言い切れない事。河野さんは本当に強い人です。そして、強いだけの人ではないなあ。2018/02/17

Ikuto Nagura

5
誰もが加害者をチッソと分かってるのに、その後十数年も排水を放置して被害者を増やした水俣病。原因すら分かってないのに、わずか23時間で河野氏を犯人と決めつけ、新たなテロを防げずに被害者を増やした松本サリン事件。私たちの人権と生命を顧みない権力に、何の存在意義があろう。そんな権力犯罪を撥ね退けた河野氏がたどり着く、加害者の反省は個人内面の問題だから、犯罪被害者ケアをシステム化した上で、刑事裁判や刑事罰から応報主義を排除せよという結論。なんて強い人なんだ。「私はできることなら人間の優しさを大事にしていきたい」2015/01/25

かりんとー

4
ものすごく低い確率で不幸な目に遭ってしまった人。それが河野さん。地下鉄サリンがなかったら、ずっと疑惑は晴れなかっただろう。警察は何とかして河野さんを犯人に仕立てあげようとした。真相なんてどうでもよかったのだ。新聞マスコミメディアもよってたかって犯人扱い。それは警察のリークがあったから。彼が何を言っても何をしても「犯人の言葉」として捉えられる。冤罪って本当にあるんだ、恐ろしい。 私たちだっていつ勝手に犯人にされるかわからない。 2014/12/17

アルゴン

3
★★★★  ここまで「客観的に犯行の可否が判断できるのでは」と思える事件ですら、一歩間違えると有罪にされてしまうのか。この事件の反省からマスコミ側に多少改善された部分があるにしても、こういうものを読んでしまうと何を信じたらいいのか本当に難しいなあと思ってしまいます。2015/03/27

うらのプーさん

1
日本の闇を見た気分です。河野さんとそのご家族さんは芯の強い立派な方々ですね。2017/02/04

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