文春文庫<br> 『大地の子』と私

文春文庫
『大地の子』と私

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  • サイズ 文庫判/ページ数 270p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167556051
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

胡耀邦総書記との中南海での会見や労働改造所へ初の取材敢行、「捨てないで!」と叫ぶ戦争孤児たち。『大地の子』取材執筆の秘話

内容説明

胡耀邦総書記との中南海での異例の会見。労働改造所、未開放地区への初めての取材。「三度も捨てないで!」と叫ぶ戦争孤児たちとの面談…。情報閉鎖国家の中国で、作者はどのようにして小説『大地の子』を発想し、執筆する道を切りひらき、完結させるに至ったか。二十世紀の日本と日本人の良心を問う物語のすべて。

目次

『大地の子』と私の闘い
『大地の子』取材日記
『大地の子』が描いた不思議なる国―深田祐介・山崎豊子対談
“虱”だらけの指導者・胡耀邦―素顔の中国首脳単独会見記
「靖国批判」の中の北京
胡耀邦さんにもう一度会いたい―わが涙の中国弔問記
『大地の子』中国に還る
巴金先生
巴金先生の一言―文芸春秋読者賞を受賞して
戦争孤児の子女たちのために―阿川佐和子・山崎豊子対談〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まつうら

41
著者が「大地の子」で伝えたかったこと。戦争はどれだけの禍を遺したのか。それを著すため、著者は何年もの間どれだけの労苦を重ねてきたか。。。これらがつまびらかに語られるエッセイ。戦災孤児を慮るあまり、著者が孤児のための奨学財団を設立していたことにはとても驚いた。財団の基金をつくるため、著者は「不毛地帯」等の作品の著作権を寄贈することまでしている。ここまでのことはなかなかできることではない。「大地の子」が著している戦争の禍根はほんの一部でしかないかもしれない。でもこれらを風化させてはならないと強く思う。2022/05/07

おたま

35
『大地の子』創作の舞台裏等が綴られた本。『大地の子』は大変困難な状況の中で書かれた。その最大のものは、中国という国の閉鎖的な体制。取材一つもままならない。それを大きく進展させたのが胡耀邦総書記の支持にあった。この本を読むと、『大地の子』自体が、胡耀邦と山崎豊子との信頼関係の上に築かれた日中共同プロジェクトだったようにも思える(宝華製鉄所のように)。改革開放の推進者であり、民主化の象徴でもあった胡耀邦の葬儀に立ち合った時、完成された『大地の子』を墓前に供えた時、大変感動を覚えた。『大地の子』を読んだらぜひ。2021/11/13

James Hayashi

30
「大地の子」の取材記&対談集的なもの。いかに著者が気配りし登場人物の性格や仕事などを色付けしていったかが分かる。中国の暗黒部な労働改造所での取材と写真撮影もあり度肝を抜く。戦争孤児たちは異なる国に2組の両親を持ち、中国版二つの祖国との気持ちで書かれた。8年に及ぶ取材を言論、集会、報道の自由が認められない中国で行ったそうだが、どれほどの苦汁を味わったことであろう。NHKのドラマ化の裏話もある。日中の共同制作でよくぞここまでという場面も多々ある。(中国では未だ未放映)これを読まずにして「大地の子」は語れまい。2015/09/01

miyumiyu

27
8年の歳月をかけて書き上げた超大作の、完成に至るまでのエッセイ。毎年夏に、中国研修旅行を行っている香川県のある高校で、出発前に全員が「大地の子」を読むことを義務付けていて、帰国後全員がしたためた感想文が、毎年作者に送られてくるとのこと。「知らなかったでは済まされない。戦争の悲劇は絶対繰り返さない。」との高校生の感想が心に残った。「大地の子」は、戦争を知らない世代にこそ、永く読み継がれて欲しいと思う。2013/06/16

豆ぽち

22
「中国作家協会主席の巴金先生にお目にかかった時、『私がペンを執る時は、祖国と人民の為です、私はいまだに一度も作家になるためにペンを執ったことはない、力ある限り祖国の為にペンを執ります』と仰った言葉が深く胸に刻まれました。」2017/12/17

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