文春文庫<br> 祖父東条英機「一切語るなかれ」 (増補改訂版)

文春文庫
祖父東条英機「一切語るなかれ」 (増補改訂版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167369026
  • NDC分類 288.3
  • Cコード C0131

出版社内容情報

「沈黙。弁解せず」と言い遺して処刑台に上った東條英機元首相。周囲の厳しい視線に晒されつつ生きた家族の「昭和」を、孫娘が語る

内容説明

「沈黙、弁解せず。一切語るなかれ」を家族に遺し、東条英機元首相はすべての責任を負い処刑台に登った…。戦後50年、その掟を解き、孫娘がここに記す東条家の戦中戦後。数々の新事実を通し、人間東条英機の姿が浮び上る。映画化(「プライド 運命の瞬間」)の反響、出版後に寄せられた手紙等を新たに収録した増補改訂版。

目次

第1章 昭和十九年、疎開そして終戦
第2章 昭和二十年、伊東での暮らし
第3章 昭和二十一年、東京裁判そして祖父処刑
第4章 手紙、絵葉書、育児日記
第5章 二人の祖母のこと
第6章 母のこと
第7章 私のこと
第8章 忘れえぬ出会い
補・五十年後

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佳乃

27
東條が本当はどんな人物だったかを知るにはいい本だと思う。軍人でも政治家でもない一人の人間としてそこに東條英機という人物がいるって感じです。「戦前・戦後の悪しき文化」も見える。2015/08/22

駄目男

7
「無謀な戦争だった!」「戦争は二度としてはいけない」 「先の戦争で310万の尊い犠牲者を出した」 確かにそうだ、戦争はいけない、しかし、1941年当時の世界情勢、日米交渉、国内政治などよく勉強すると事はそう簡単ではない。戦争に踏み切った当事者の中にも反対派はいた。戦争回避に向け努力した人たちもいるのである。では、あの時点で誰がどんな方針で事に臨んだなら戦争は回避出来たのか、それを明確に答えれる意見をあまり聞かない。著者は東條英樹の孫になるわけだが「一切語るなかれ」と言われた禁を破ったことになるのだろうか。2018/12/04

yori

4
★★★★☆ 東條英機のイメージは何となく想像していたものとは異なるものだった。夫、父、祖父としては優しい人物だった様。海外滞在中の3年間に300通も手紙を書いているし、長男誕生の際には妻と育児交換日記を書いている。戦犯の事となるとまたどう理解したら良いのか難しい。東條の孫である著者がTVに出ているのを見たが、スマートでかなりの論客と言った印象。東京裁判に関して論破出来る人はなかなか居ないんじゃないか、、、と思うほど。2011/08/22

ZEPPELIN

3
軍人・政治家としてではなく、人間・東條英機を孫の目線から語った内容。もちろん、身内が著者なので差し引いて読む。自分の娘を「少し顔はまずい」と妻宛の手紙に書いてしまうような正直な愛妻家。息子の嫁探しに熱くなる良き父。そして孫の行く末を案じる優しき祖父。いかにも昔の日本人である。正直、東條英機という人がそこまで有能な軍人・政治家だったとは思わない。しかし、開戦から敗戦までの全責任が東條英機のみにあるとも到底思えない。何より、自決が失敗した時に抱いたであろう無念には同情せざるをえない2014/10/26

ねこすけ

2
硬いタイトルだが、なんとなく「子育てを終えたおばさんがカルチャーセンターの文章講座で自分史を書いてみたら、たまたまおじいちゃまがエライ人だった」というような雰囲気の内容。だから薄っぺらだ、というのではなく、メモ魔だった祖父譲りなのか、几帳面で家族の書簡など多数引用し、過度な身びいきに陥ることなく「よき夫、よき父、よき祖父」だった東条英機の人となりを浮彫にした良書である。日本人として、東条一人に戦争の責任を押し付けるのではなく、戦争に至った真の原因は何だったのかきちんと究明すべきだと考えさせられた。2013/10/04

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