内容説明
歴史がはじまる遙か以前から、外交交渉の成否はただちにその国の存亡を意味してきた。およそ三千年前に結ばれたという最古の和平条約を持つことで知られる古代オリエントの時代から、華やかな宮廷外交、そして近代外交へと移行する長い道筋のなかで、「主権者の代理人」たる外交官はどのような役割を果たしてきたのか。また二十一世紀の国民外交とはどのようなものとなるのか。未曾有の危機に直面する日本外交のあるべき姿を改めて問う。
目次
外交官の系譜
外交官の図像学
外交官は不実の徒か?
首脳外交と大使
主権者の代理人
完全なる大使
外交力
著者等紹介
矢田部厚彦[ヤタベアツヒコ]
1929年生まれ。1952年外務省に入り、駐ヴェトナム、オーストリア、ベルギー、フランス各大使を経て、1994年退官
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感想・レビュー
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ヤギ郎
13
外交官による外交官論。歴史、法律(国際法)、自身の経験を織り交ぜながら、外交官と呼ばれる人たちを分析している。脚注付きで丁寧な引用をしている。本書で紹介された文献にも目を通して見たい。国と国の交渉を人と人の話し合いに落とし込んだのが外交なのだろう。外交官(大使)一人に多くの権限を与えただけに、外交官としての振る舞いが注目される。外交礼譲(プロトコール)というものがあり、古臭いともいえるが、良好な関係を構築するために必要不可欠なものである。国民はどれだけ外交官の仕事ぶりを理解しているのだろうか。良書。2020/10/02
いかちゃん
0
外交官の歴史、素質などが分り、大変役に立った。2013/08/23
Naota_t
0
2010/09/28 2010/09/20