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天保図録(上)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
go
2
かげろう絵図が普通に売っててこっちがなかなか読めなくなってる理由は?面白さ引けを取らない。確かに長くて時間はかかるが、どっぷり浸れる事間違いない。本庄は小悪党だが鳥居は違う。もはやそういう人間であるとしか言いようがない。優秀で残忍な人間。2016/06/11
高橋 橘苑
2
清張節を感じさせて、読みやすい出来になっている。水野忠邦の天保の改革は日本版「崇高なる実験」であると思う。誰も危機意識を感じながら自分からは手を付けない、しかし忠邦は勇気を持ってその実行に着手した。 鳥居耀蔵という稀代の悪人を起用した事と共に、現在で云う所のデフレ政策は世評の激しい反発を招くが。、飯田主水介を登場させたりと、市井の人々を描く清張節はいつもながら冴えている。風雲幕末の前のこの時代に、幕府中枢の大頭脳の強引な諸政策が、大きな波紋を投げかけたことを正面から描いている。2013/09/05
須那 雄太郎
1
津山市立図書館2022/02/10
よっちゃん
1
執拗な出世欲のかたまりである鳥居耀蔵が水野忠邦を操り、これら史実にそった物語の展開の中で、あらゆる事件をあくどくでっち上げながら、次々とその野望を実現していく。この巨悪に立ちふさがるのが旗本・飯田主水正とその仲間たち。この旗本・飯田主水正がいい。金には困らない身分にして豪快、道楽も剣も天下一品、人情味あふれる庶民感覚、胸のすく反骨精神の持ち主。市川右太衛門が一世を風靡したあの旗本退屈男・早乙女主水之介そのものである。いまの時代には流行らないかもしれないが懐かしさも手伝ってその活躍に拍手を送りたくなる。2010/12/12
iwashinyan
0
執拗な人間ってほんと恐いです…。2016/07/14