ハヤカワ・ミステリワールド
ミステリ・オペラ―宿命城殺人事件

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  • サイズ B6判/ページ数 682p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152083449
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

平成元年、東京。編集者の萩原祐介はビルの屋上から投身、しばらく空中を浮遊してから墜落死した。昭和13年、満州。奉納オペラ『魔笛』を撮影すべく“宿命城”へ向かう善知鳥良一ら一団は、行く先々で“探偵小説”もどきの奇怪な殺人事件に遭遇する。そして50年を隔てた時空を祐介の妻・桐子は亡き夫を求めて行き来する…執筆3年、本格推理のあらゆるガジェットを投入した壮大な構想の全体ミステリ。

著者等紹介

山田正紀[ヤマダマサキ]
1950年名古屋市生まれ。明治大学政経学部卒。1974年SFマガジンに『神狩り』を発表し、作家デビュー。天才の出現と絶賛を浴び、同篇は第6回星雲賞日本短篇部門を受賞した。デビューはSFだが、冒険、秘境、本格ミステリ、ホラーと創作の領域はきわめて広い
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

勇波

54
1ヶ月かけてようやく読了。詰め込んでますねぇ。決して無駄に長くはないです。一生かけても読み終わらん錯覚起こしそうになりました。これほどの重厚感を喰らったのは久々。笠井潔の『哲学者の密室』以来か。今すぐにでも再読したい一冊。2回目は更に面白く読めるのが分かってますから。但し再読時は文庫本で。とにかく内容も重量も重いのだ。寝ながら読んだら凶器本になるよ。本書が出版されたのは2001年。20世紀に区切りを付けるべく世に出されたのでしょうか?今を生きる人間にとって運命を示す宿命城に何を想い何を願うのでしょうか★2016/12/26

藤月はな(灯れ松明の火)

29
「Yの悲劇」、「虚無への供物」、有栖川作品にも出てきた「赤死館殺人事件」の意外な登場、「黒死館殺人事件」だけではなかった小栗虫太郎作品特有のスパイ物などのガジェットがふんだんに盛り込まれた本格ミステリ。煙に巻くような外連味がとても心地がいい。しかし、満州が日本軍によって創られた時代に甦った大虐殺された死者と殺人事件、怒れるオペラ歌手と共に並行世界を信じている妻、しばらくの間、浮いていたとされる飛び自殺したとされる男などの現在の事件が次第に掏り合わさっていくのが駆け足気味なのが少々、残念。2012/09/17

山田太郎

19
本格ミステリっていうとちょっと違う気もするが、面白かった。旧かなでちょっとはじめは読みにくいけど、いっき読みでした。しかし、長かった2011/01/24

ホレイシア

9
茫然自失状態から戻ってきた。タイトルどおり華麗なオペラを見終わった気分。言っておくが、舞台は多分、個人の想像の範疇を超えるラマ教寺院だ。しかも関東軍が絡んでいる。どう考えても美しくなりようはないのに豪華絢爛な世界が広がっていた。そういう感想が見当たらないので独特の読み方をしちゃったのかもしれないが、相性がよかったのは幸せだ。ついでに言うと、著者近影、とてもいい笑顔をしておられる。お若い頃よりずっといい。こういう年の重ね方をしたいものだ。2009/11/10

みかりん

7
びっくりするぐらい長かった。何がなんだかわからない場面から始まり 密室殺人 見立て殺人 パラレルワールドありの 全部入り混じりです。複雑に絡み合った物を スッキリ(結構 私的には そんな事ある?ってのもありましたが)解決。どこまでが 真実で どこから 小説なのかっても謎になってます。2019/02/14

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